日本国憲法の逆襲

  • 岩波書店
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  • 本 ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000017688

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  • Amazon内容紹介より
    まるで憲法を変えれば新しい日本の未来がひらけるとでも言わんばかりに、改憲を求める声が大きくなってきている。しかし、いまほんとうに日本国憲法を変えるべきなのだろうか。辛口評論家・佐高信が多彩なゲストとともに、いまだからこそ輝く日本国憲法の価値を語りつくす。

    色々な方と対談されていますが、特に印象に残ったのが、むのたけじさんの
    「現在の日本国憲法に対しても、実生活から離れた大変立派なものであって、たとえていえば礼服を着たときの胸ポケットの絹のハンカチのようにきれいに扱うような意識が、いまの若い方々にもあるあのではないか。そのような態度では憲法の中身が次第に風化するでしょう。私は、憲法は絹ハンカチではない、台所を朝昼晩清めるぞうきんのように使えということを言いたいです。日用品です。」
    という言葉。現実からかけ離れたものとしてではなく、日々の生活の中で憲法を使っていく、佐高氏の言葉で言えば、「憲法の生活化」。

    また、あとがきに書かれていたこのエピソードがいい。
    「湾岸戦争のときに、日本に対して、日本人は金は出すけれども血は流さないという非難が高まった、国際的に。そのときに高知のある高校生が、自分の好きだったアメリカのコラムニシストのボブ・グリーンにあてて手紙を書いた。英語で。日本には憲法9条があるから軍隊を出さないのだという意味の手紙を書いた。それを読んだボブ・グリーンがそのことをコラムに書き、人気コラムニストですから、全米でそれが配信された。それを読んだアメリカ人たちから、その高校生のところにかなり多くの手紙が寄せられた。そこには、異口同音に知らなかった、日本にそういう9条があることは知らなかった、アメリカにも9条が欲しいといった言葉が並んでいたというふうにあるわけですけれども、何物にも増して、この9条こそ世界に輸出すべきなのではないかと」

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著者プロフィール

1945年山形県酒田市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、郷里の高校教師、経済誌の編集長を経て、評論家となる。憲法行脚の会呼びかけ人。
近著に『新しい世界観を求めて』[寺島実郎との共著]『小沢一郎の功罪』(以上、毎日新聞社}、『平民宰相原敬伝説』(角川学芸出版)、『佐高信の俳論風発』(七つ森書館)ほか多数。

「2010年 『竹中平蔵こそ証人喚問を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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