- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000018210
感想・レビュー・書評
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日本の政治の裏話
何だかんだ平和な時代。人事の話しに終始。
結局、親分子分の関係でやってきたツケが、現代の体たらく
日本国の滅びに向かって行くだけ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハンセン病をめぐる訴訟について、自らは存在感を消し、敢えて小泉に手柄を与えることでハンセン病患者の救済を目指した話が印象的。他人に嫌われることを恐れず、泥をかぶって仕事ができる政治家。
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★徹底の人★戦うハト派。乱世で輝く人で、自分の判断に反省も躊躇もない。小渕首相急逝後の五人組の件も、当然のように振り返る。官房長官として最も頼りにしていたのは秘書官というくらいで、政と官の線引きがしっかりあったのだろう。57歳で国政に転じたからだろうか。小沢一郎のことは、総理にならず国会でも答弁はせずフィクサーになって国を動かしたい人だと評する。
情を引き出すのではなく政治の仕組みを淡々と聞く回顧録だなと思っていたら、それが狙いだったようだ。国会議員になってパーティーで政治資金を集めなかったというのに、町長でも府議会議員でも年金をもらえる年月にわずかに達していないことを気にしていたのが人間臭い。 -
[朗々なる老兵]地方政治に長年携わり、57歳にして中央政界に進出した男、野中広務。「オーラル・ヒストリー」の手法を用いることにより、彼が何をどう考えながら地方を、党を、そして日本を動かしていたのかをあぶり出す一冊です。コワモテ、影の実力者といったイメージが先行してしまう方ですが、その意外な一面に驚かされること間違いなしです。聞き手は、日本の政治研究の第一人者である御厨貴など。
政界の最奥部を知る人間だからこそ語れることのできる内容・考えばかりなので、それだけで興味深いことこの上ない。話せないところは見事に応答を避けているなという感じはしますが、それでも野中氏の話は明朗であり、直截的であるように感じられます。時に過去を懐かしみながら、そして興奮した様子を浮かばせながら進めてられていく野中氏の話の様子は、それだけで現代史を彩るとっておきの参考書になるかと思います。
本書から野中広務という人物の核を汲み取るとすれば、「地方」「戦争経験者」「義理」といったところでしょうか。そしてその野中氏の時代の主流を占めていた「人治」に重きを置く政治スタイルは、はっきり言って今の時代では通用しないだろうし、国民からは好かれないだろうなと思いながらも、政治と国民の距離がある程度離れていた時代には、野中氏の政治力もあって「秘技」に近いアートと化したのではないかと感じます。
〜竹下さんが電話をしてきて、「おい、おまえ、出ろよ」と言う。「何を言うてるんですか。私はもう五十七ですよ。いまから出てどうするんですか」と言ったら、「何を言うてるんだい。いまは、何にも知らんやつが出て来るんだ。しかも、親父が東京で家を持って、東京で育って東京しか知らない男が、田舎の選挙区から知ったかぶりをして出て来るんだ。こんなことをしておったら、日本の政治は駄目になる。おまえぐらい地方自治を経験した人間はおらん。頼むからそういうためにやってくれ。出て来い」と言う。〜
称賛というよりも評価したい政治家かと☆5つ -
すでに何冊も回顧録や評伝が出ているため、重複する部分もあるが、オーラル・ヒストリーという学術的な意味で意義のある記録だったとは思う。ただ、聞き手をあえて若手にしたためか、台本通りに年表をたどって本人の記憶を呼び覚ますことに終始していて、そこで出た証言を膨らませてどうこうというのはまったくない。各章に聞き取り日を記していないのも問題だし、あと野中氏がしゃべた言葉の語尾をきれいにまとめていて、あやふやで言葉を濁した部分がどこなのかわかりにくく感じた。2010年の10月までの話で昨今の政治状況のフォローはない。
野中氏が言うように、もしかしたらどこかの駅長で終わっていたかもしれない人生が、偶然の重なりによって、最終的には「影の総理」と呼ばれるまでに至る道程を振り返ると、彼の信念とは別に、徹底して相手を追い詰める執念深さと、押し引きのできる如才のなさも見えてくる。 -
自民党で隠然たる影響力を発揮した野中広務の回顧録。
オーラルヒストリー形式の内容なので、会話のやりとりの面白さもさるところながら、野中氏の感情の起伏も読み取れて面白い。
但し、政治的なやりとりの話が中心なので、本当に味わえるのは政治マニアで無いと厳しいと思われる。
以下、面白かった点の備忘録。
・公明党の草川昭三は、誰某が入院したとか、財産状況の情報収集能力が物凄かった(これは学会員からの提供と思われるが、それは触れられていない)
・国対委員長に就任した際、前任の小此木さんから譲られたメモは、野党との現金授受のやりとりがリアルに描写されていて面白い。
例:ある野党の政治家とトイレで小便しながら現金を渡した際、相手が"サオ"を持ち替えて現金をポケットに入れた。
・村山首相を国会で選出する際に、伊吹文明が対抗する海部の名前を書こうとして、白紙投票にするように注意した。そして監視役の鈴木宗男に伊吹の監視役をさせたが、その役割を了承した鈴木宗男自身も海部の名前を書こうとしていた。 -
新着図書コーナー展示は、2週間です。
通常の配架場所は、3階開架 請求記号:312.1//N95