破獄

  • 岩波書店 (1983年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784000018487

みんなの感想まとめ

実在の脱獄犯をモデルにしたこの作品は、戦後日本の厳しい時代背景を背景に、脱獄を繰り返す主人公の姿を描いています。主人公は、網走刑務所からの脱出を果たすなど、まるで漫画のようなスリリングなエピソードを持...

感想・レビュー・書評

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  • フィクションということですが、ほとんど事実のようです。まるでルパン3世みたいな奴ですね。手錠なんか朝飯前、トイレの蝶番とか拾った釘とかとにかくなんでも利用して脱獄しちゃうんです。逃走不可能と言われた網走刑務所の抜け出しなんて、もう漫画ですよ。でも、本当にやったらしいです。この知恵と体力を他のことに活かせたらねえ。オリンピックなんかも出られたんじゃないでしょうか。一時はヒーロー扱いだったみたいですね。映像化はされてないんでしょうか。絶対面白いと思いますけどねえ。

  • ずいぶん前から読みたいと思っていてなかなか手に取る機会がなかった本書だが、ようやく読めた。

    26年間の服役中に4回脱獄した実在の人物をモデルにした小説。
    終戦前後の時代背景がこの事件の大きな要因の一つであったこと、この事件を描くことで、戦時中、敗戦後の日本を別の視点で見ることができるという思いから筆をとったらしい。
    吉村らしく、細かく具体的なデータ、史実に忠実な記述、当時の暮らしぶりを丁寧に再現した描写など綿密な取材の跡がうかがわれ、また抑えた筆致からは冷え冷えとした刑務所の空気感まで伝わってきて、意図した通りの作品に仕上がった。

    主人公のモデルとなった人物については、以前何度かテレビなどでも実録として紹介されたのを見たことがあったが、意外に30年ほど前まで存命だったことに驚いた。
    吉村の著書を見るに、主人公がこうまで脱獄を繰り返したその背景には、不遇だった幼少期の影響もさることながら、戦争へとひた走っていた当時の日本の状況が、たまたま身体能力や知的能力にたけていた主人公に、強盗、脱獄といった負の生き方を選ばせてしまったという面もあったのかもしれない。

  • なんだか感情移入ができなかったというか、読んでで物語入り込めなかった。
    固い文体と時代描写が多くて「いったい俺は何を読んでいるだー」と思ってしまった。
    その時代の刑務所事情を知るために読み始めたわけじゃない。
    けど、国民より囚人のほうが良い食事事情だったとか、目新しいことは多々あった。
    脱獄することがそこまでサスペンス風味に、言うならばエンターテインメントじゃないからかな。
    あまりドキドキしない。
    すごく淡泊に進むし、脱獄犯の佐久間の視点が全くない。

    これは好みが分かれるのかな。
    終わりは良い。
    もう脱獄しない理由が腑に落ちる。

  • 北海道旅行で、網走監獄に行って、この本を知り、興味を持ったので、図書館で借りて読んでみました。

    四回も脱獄する執念がすごいと思いました。

  • 抗議行動としての脱獄。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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