ミクロ経済学の応用

著者 : 矢野誠
  • 岩波書店 (2001年9月27日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000021999

作品紹介

資源配分における市場や政府の失敗の分析を通じて、ミクロ経済学の応用手法を紹介する。従来の経済学ではあまり取り上げられなかった「市場の質」という概念に焦点を合わせ、「市場の質」の向上に必要な経済制度とは何かを考える。独占禁止法、知的財産権、証券市場における情報開示制度など、現代の日本経済を考える際に欠くことの出来ない論点を、実例を多くあげながら説明を加える。学部学生だけでなく、現実の経済問題と直面している社会人のためのテキスト。

ミクロ経済学の応用の感想・レビュー・書評

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  • 【目次】
    はしがき
    本書の使い方

    第1章 ミクロ経済学の基礎知識
      1.1 経済活動の効果
    総効果と限界効果/限界効果と微分法
      1.2 消費者の行動
    支払用意と実支払/消費者余剰最大化仮説
      1.3 企業の行動
    費用関数/利潤最大化
      1.4 市場均衡
    資源配分の効率性/最適配分の条件/均衡の最適性
      1.5 短期と長期
    固定的生産要素に関する短期と長期/技術の学習に関する短期と長期

    第2章 市場の機能と市場の質
      2.1 市場とは
    市場の質と日本経済/良い市場と悪い市場/交換の資源配分機能と交換利益の分配機能/資源配分の効率性と交換利益の分配の正常性/市場と競争/市場交換と直接交換
      2.2 直接交換における競争
    競争のない取引契約/直接交渉における競争と一物一価の法則/競争者の結託と結託阻止余剰/競争者の数と余剰の分配/コアの完全競争均衡への収束
      2.3 市場の質と市場の制度
    市場の質のダイナミックス/市場の質の改善と政府による規制/選別的政策の困難さ:産業育成の例/市場を守る制度のデザイン

    第3章 資源配分の失敗と市場の質の向上
      3.1 政府の失敗
    物品税/生産補助金/価格の上限や下限の設定/数量規制/国際貿易と規制
      3.2 公共財
    公共財と費用負担/最適供給の条件/受益者負担とタダ乗り
      3.3 外部効果
    私的費用と社会的費用/市場均衡とピグー税/コースの定理
      3.4 外部効果と環境
    環境サービスの公共性/環境利用権の取引/環境利用権と交渉
      3.5 外部効果の内部化と市場の相互関係
    外部効果の直接規制/外部不経済の拒否権/外部不経済の自由発生権
      3.6 情報の非対称性
    レモンの原理/情報の非対称性と鑑定業務/混合均衡と分離均衡/鑑定市場発生のプロセス

    第4章 私的独占と公的独占
      4.1 私的独占と資源配分
    私的独占の最適化行動/独占による資源配分の失敗/価格設定か数量設定か/限界収入と需要曲線/独占度と需要弾力性
      4.2 私的独占と交換利益の分配
    私的独占と余剰/多重価格設定と割引のパラドックス/完全価格差別/市場分割による価格差別/価格差別と需要の価格弾力性
      4.3 公的独占
    平均費用の逓減と公的独占/公的独占と価格設定/多重価格設定と公的独占/公的独占の民営化

    第5章 製品の質と知的財産権法
      5.1 製品の質と技術革新
    費用節約型技術革新の経済効果/製品開発型技術革新と需要創出効果
      5.2 技術革新と特許制度
    研究開発と研究開発費用のタダ乗り/特許権制度による研究開発の保護/特許の有効期間と複数の発明/特許とその他の知的財産
      5.3 アメリカの特許制度とその問題点
    特許の対象/アイコンは特許可能か/数学的アルゴリズムの特許/ビジネス手法の特許/特許制度の改革とサブマリン特許

    第6章 不完全競争とゲーム理論
      6.1 ゲームの構想
    クルノー・モデル/ゲームの記述/囚人のゲーム/協力ゲームとその解
      6.2 非協力ゲームとその解
    プレーヤーの孤立性/プレーヤーの半孤立性/ナッシュ戦略/ナッシュ均衡/シュタッケルベルグ均衡
      6.3 クルノーの寡占モデル
    クルノー・モデルの協力均衡/クルノー戦略/クルノー均衡/クルノー・モデルにおけるシュタッケルベルグ均衡
      6.4 バートランの寡占モデル
      6.5 ゲームの解の安定度
    協力解と非協力解/ナッシュ均衡の成立過程/支配戦略均衡

    第7章 市場内の競争と独占禁止法
      7.1 カルテルによる競争の排除
    カルテル均衡とその不安定性/オペックの事例/カルテル破りの限界収入
      7.2 クルノー・モデルにおける販売量競争と参入
    参入による完全競争市場の形成/逓減的平均費用の参入障壁機能/長期的なクルノー競争と完全競争/参入障壁としての政府活動
      7.3 アメリカの独占禁止法
    市場の憲法的ルールとしての独占禁止法/限界費用価格形成の不可能性/シャーマン法第1条と価格競争の制限
      7.4 バートラン・モデルにおける価格競争
    同質財のバートラン・モデルと価格競争/価格競争と完全競争/価格競争か販売量競争か
      7.5 競争制限とアメリカの独占禁止法
    価格維持の事例/市場分割の経済分析/市場分割の事例/水平的競争制限と垂直的競争制限

    第8章 市場間の競争と独占禁止法
      8.1 独占の認定
    連関する市場での「独占」と「競争」/市場の独立性と交差弾力性/交差弾力性分析と「デュポン」判決/独占の認定における市場の範囲と市場シェア
      8.2 独占と競争の経済分析
    市場間のバートラン競争/独占と競争のパラドックス/先導者・追随者の内生的住み分けの理論
      8.3 シャーマン法第2条と独占の規制
    独占力の行使の禁止と独占の意図の立証/独占の意図の経済分析とアルコア判決/独占の意図と略奪的行為
      8.4 独占の規制の基準

    第9章 製品の差別化と独占的競争
      9.1 製品の差別化
    製品差別と製品間の代替性/製品差別と財の属性/製品差別の需要創出効果と需要分散効果
      9.2 独占と競争の併存
    独占的競争/独占的競争市場の長期均衡/独占的競争と完全競争

    第10章 価格差別と独占禁止法
      10.1 価格差別と交換利益の転移
    価格差別の需要創出効果
      10.2 ロビンソン・パットマン法の下での価格差別
    ロビンソン・パットマン法の事例/ロビンソン・パットマン法と弱者保護

    第11章 独占禁止法における理念とルール
      11.1 独占禁止法の理念
    競争の保護/公正な取引
      11.2 市場競争の基本原則
    行為としての市場競争/市場競争を支える2原則/基本原理の経済学的記述/競争の基本原理と独占禁止法の理念
      11.3 競争のルールデザイン
    反競争性についての経済学的判断/競争と「過当競争」/弱者保護と競争保護ルール

    第12章 証券市場と情報開示制度
      12.1 デュー・ディリジェンス
      12.2 証券市場の仕組み
    市場の構造/エクイティー証券の発行市場/ベンチャー・キャピタル市場/公開株式の第1次市場
      12.3 証券市場と情報開示制度
    アメリカの証券法と証券取引法/情報開示制度の成立過程(1)/情報開示制度の成立過程(2)
      12.4 情報開示制度の経済学
    証券発行と資本形成の基礎モデル/情報収集責任と情報提供責任/情報開示制度と取締り費用/取締り費用と情報提供義務
      12.5 情報と不確実性に関する制度の分析に向けて

    リーディング・リスト
    索引

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