無理難題「プロデュース」します――小谷正一伝説

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000022255

作品紹介・あらすじ

プロデューサーは常に黒子、そして常に新しいことを。戦後メディアで変幻自在な活躍をした男の軌跡を描きだす。

感想・レビュー・書評

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  • プロデューサーとしての僕の心の師匠である。お会いできなかったことが残念でならない。小谷正一という男は、カルチャー、メディアの前例のないあらゆることを実現してきた。

    「小谷正一(1912-1992年)。井上靖『闘牛』の主人公のモデルとなった毎日新聞社事業部を皮切りに、夕刊「新大阪」創刊、プロ野球パ・リーグの創設、民間放送の立ち上げ、海外からの芸術家招致、電通での活躍など、戦後メディアを縦横に生きた男の軌跡を、井上靖、正力松太郎、吉田秀雄、萩元晴彦ら、多彩な人物とともに描く。」とアマゾンの紹介にはある。

    この本には、プロデュースすることのダンディズムや心意気や色気に満ち満ちている。生涯の教科書。そして、小谷さんがやらなかったことの隙間を1つでも埋められたらプロデューサーとして本望である。

  • あるのが当たり前で、それぞれに曲がり角を迎えている夕刊、球団、ラジオ。でも、それぞれに生まれる前があって、なかったものが生まれるためにはアイデアがあるだけではダメで、人と人を繋ぐプロデュース、いやプロデューサーが必要だったのだと思います。「空間に原稿を書く」こういう感覚は、今こそ新鮮に響きました。成熟社会と決めつけずに、なかったものを生み出すためにも。

  • プロデュースとは何か。ひとりの人間の、ひとりの人間とは思えないほどの仕事の数々を眺めながら、追いかけていく一冊。

    他の小谷正一本と比べて、あまりフォーカスされない影の部分。失敗や失態にも目を向けられた、ジャーナリズムとして筋の通った一冊。
    歴史検証という意味でも、意義深い。

  • 電通報でその存在を知り、そして男として惚れた方です。世界は結局生み出すことが全てだと教わった気がします。

    特に下記の言葉が印象的です。
    「きみ、いつだって時代は過渡期だし、キャンバスは白いんだぜ」。

    社長から無理難題を言われ、嫌がりながらもカタチにしていく構想力、統率力、実行力。全てが手本となっています。自分も成し遂げたと思える、ビジネスをプロデュースしていきたい。

  • 日本のエンタテイメントの基盤を作った人物。闘牛の興行から今の芸能界に通ずる流れ、そして、東京ディズニーランドのテーマパーク迄影響する小谷のプロデュース力。亡くなった俊藤氏、そして花王名人劇場の澤田氏との接点をもっと知りたかった。この三人は昭和の三大プロデューサーと言えるだろうから。

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