- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000022293
作品紹介・あらすじ
三〇件に及ぶ無罪判決をすべて確定させたことで知られる元裁判官が自らの人生をふり返る。囲碁棋士の父親の下で育った少年期から、札幌地裁時代に遭遇した平賀書簡問題、白鳥事件の思い出、最高裁調査官として憲法判例にかかわった日々、裁判官に求められるものは何かまで、すべてを語り尽くした決定版。
感想・レビュー・書評
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結局被告人は当たった裁判官,裁判員の考えや世論の動向等によって死刑になったりならなかったりする/判例をたくさん引用してある事件ほど本当は危ない。論点に関係する直接の判例がないとあまり関係なさそうな判例をいっぱい引いてくることになる/小法廷制度が憲法判断を避ける大きな理由になる/6割の裁判官は右顧左眄しているうちに優柔不断だから決断できなくなって検事の言うとおりにしてしまう/冤罪は本当に数限りなくある.次々と新しい冤罪が生まれていて刑務所の中には冤罪者がいっぱいいると思わないといけません
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斯界の大家なんだろうけど、門外漢の僕にとってはまったく存じない人なので、前半の半生を語るところなんかはかなり読むのが苦痛。でも、知っている人にとっては面白いんだろうね。ファン心理は不思議。
後半になってくると興味深いところがちらほら。
まあ考えてみりゃ当たり前の話ではあるんだけど、建前としては理性のみで判決を言い渡す裁判所も、実のところはいろんなしがらみを抱えて、結構政治的な決着というのが多いということ。やっぱ残念ではあるな。徐々に封建的な風土は改善しているようだけど。
あと本書で問題提起しているように、有罪率99.9%なんてどう考えてもおかしい。そのおかしな状況に、裁判官が一役買っているのは確かだと思う。
著者のような裁判官がもうちょっと増えて、もうちょっとでも正常化することを強く願うなあ。 -
今木谷先生は、佐藤博史先生の事務所にいる。
任官したばかりの平塚では、電車で刑事訴訟法の田宮裕先生と一緒になることがあった。
海部俊樹のおじは裁判官。
平賀事件で、平賀さんにも同情の余地がないわけではない。
月刊ペン事件最高裁判決は、実際には木谷判決。
弁護側も、勝ちすぎてはいけない。上級審で負けてしまうことになりかねないから。
最高裁調査官には「刑事調査官の手引き」という門外不出のマニュアルがある。
アメリカの警察は、尋問ではなくインタビュみたいに被疑者に接する。