物語と人間の科学

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000022910

作品紹介・あらすじ

心理療法とは、それぞれの人が生きて行く上で自分なりの物語をつくる、その手助けをすることだ-。新しい人間の科学の構築を目指して行われた、一連の興味つきない講演の記録。隠れキリシタンの神話や『日本霊異記』等の物語を読み解き、東洋と西洋、性のはらむ諸問題、アイデンティティの深化について語りかける本書は、人間のこころの理解について新たな方法を開拓する。

感想・レビュー・書評

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  • 2014年46冊目。

    「物語」というものはどういうもので、どれだけ人間の無意識を過去の物語は表してきたかが、著者のいくつかの講演の中で語られている。
    「言語化できない」と語られる部分があるが、そういう言語化できないものをどう言語化するのか以上に、言語化できないものと自分たちの関係性をどう築いていくのかが大事なのだと感じる。

  • 今は亡き河合先生の講演や講義がそのまま綴られた本。
    (ちなみに97年出版。だいぶ古い)
    図書館をぶらぶらしていて発見。

    第一章、第五章が好き。
    西村佳哲さんのWSにリンクするところがたくさん。
    まーちゃんやさとしに知らせたら、きっと反応するんだろうなぁなんて思ったり。
    森博嗣先生の小説で登場する「問い」と類似のメッセージが語られたり。
    (さすがにこれは読んでいてぞくっときた)


    素敵で、綺麗な本に出逢うと、わぁっとなる。嬉しいんだと思う。
    あの方みたいに言葉の定義を突き詰めていく。
    今まで、憧れていた人って、みんなこうやって自分なりにその定義を語れる人なんだって最近思う。

    自分なりに語れるということは、
    自分を語れるってことにちょっぴり近いんじゃないかな?
    それはつまり、自分と向かい合っているってことだと思う。
    自分から逃げていないで向かい合っている。(言葉はチープだけど難しい問題)
    そういう誠実な雰囲気、そういった雰囲気をもっている人に、惹かれてしまうなぁ。

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著者プロフィール

河合 隼雄(かわい はやお)
1928年6月23日 - 2007年7月19日
兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。1952年京都大学理学部数学科卒業後、京都大学大学院で心理学を学びつつ、数学の高校教諭を兼業した。
天理大学で助教授時代にユング研究所に滞在し、ユング派分析家の資格を取得。日本における分析心理学の普及と実践に邁進。箱庭療法導入者としても知られる。欧米の心理療法を日本文化に根ざす仕方で導入を試みており、日本論・日本文化論の著作も多い。
主な受賞歴に、1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、1988年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞、1992年日本心理臨床学会賞受賞、1996年NHK放送文化賞をそれぞれ受賞。1995年紫綬褒章、1998年朝日賞、2000年文化功労者顕彰。
なお2012年に一般財団法人河合隼雄財団が設立されており、そこで本人の名を冠した「河合隼雄物語賞・学芸賞」が設けられている。

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