ヨーロッパ・コーリング 地べたからのポリティカル・レポート

  • 岩波書店 (2016年6月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784000023993

感想・レビュー・書評

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  • バカ売れ中の「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は瑞々しい少年の目を通じて見たブロークンブリテンの一端を垣間見せてくれる名著だと思います。売れるのも納得。
    しかし本来のブレイディみかこさんは、パンキッシュで歯切れのいい文章と鋭い舌鋒が特徴です。「ぼくは~」はノリのいいお母さん然としている為、理想の母親としてこれからメディアの登場する可能性が高いと思います。
    昔のキレキレの西原理恵子が懐かしい僕としては、みかこさんには棘をまだまだ残して頂きたい。
    この本はその鋭い舌鋒で英国を料理しています。まさにリズムよく畳み掛けるような文章とインテリジェンス。借り物ではない自分言葉で語る力強さが頼もしい。是非日本の事もザクザク書いて頂きたいです。
    英国というと先進国な上にロックを産みだした国で、歴史に名だたるバンドはみんな英国。ブリティッシュロックという響きには僕ら世代の脳髄を痺れさせる何かがあります。
    そんなロックで社会に風穴を開けてきたアンダークラスは、完全に疲弊して新たなヒップな文化を産みだすには全てを失い過ぎたようです。これは日本の未来の姿なのではないかなと思いました。

  • 英国在住で保育士でもある著者の、2014~15年の英国を中心としたヨーロッパの政治についての評論。
    とにかく情報収集の範囲が広く、かつ観察眼のすごい人だ、という印象。
    評論なので、じゃあ英国やEUの政治はどうすべき、という著者の意見が記されていないのが残念。
    ここまで深い洞察のできる人であれば、よりよい英国、EUにするための処方箋が書けるのでは、という期待が読んでいてものすごく膨らんだ。
    もっと言ってしまえば、日本の政治についても(特に外交問題)彼女の評論をぜひ読んでみたい。

  • イギリス在住の著者が、欧州政治の現状(2014~2016年)について書いたエッセイ。初出はYahoo!ニュースに掲載。
    イギリスの中間以下の層は緊縮財政とグローバリズムで疲弊している。その状況を打開してくれるのではないかという期待から、SNP(スコットランド国民党)のスタージョン、イギリス労働党のコービン、スペイン・ポデモス党のイグレシアス等、新しいリーダーに期待が集まった。ちなみにSNPはナショナリズムを思わせる党名でありながら思想としては非常にリベラルなのだそうだ。右と左ではなく、上と下の対立が起こっている。
    たまたま同時に読んだこの本[ https://booklog.jp/item/1/4121024109 ]と通ずる点がいくつかある。「ポピュリズム」で指摘されていた、伝統的な野党が信頼されていないために庶民の声をくみ上げてくれそうな政治家に支持が集まるという構造が、本書のあちこちで後ろに透けて見える。
    また「ポピュリズム」で指摘された、リベラル的価値観がかえってムスリムへの拒否感につながるという話は、本書のハラル肉への抵抗感(p11)とも通じる。映画・演劇界がエリートばかりになり、下層階級にとって閉ざされたものとなっているという本書の指摘(p89)は、「ポピュリズム」でのフランデレン文化批判にも通じる。

    エッセイだし、文体にパンチが利いているから、政治に疎い自分にもとっつきやすく分かりやすい。反面、単純化・短絡化されている部分もあるのだろうと思う。

  • やっぱりみかこさん面白い。

    新聞記事の考察があるけど、いろんな角度から意見ぶつけて最後は秀逸な批判で終わるのが好き。
    もう少し私にイギリス国内の知識があったら、読みやすかったかもしれない。

  • 今や超売れっ子感のある著者なので、図書館も予約待ち。
    先に「子どもたちの階級闘争」が届いたので、そっちを先に読んだのだが、正直に言って、ご自身の体験でない部分(伝聞や新聞などで読んだ部分)についての意見は、やや「短絡的」という印象を受けた。
    論拠などが素人っぽいというか、にわかっぽいというか、左フィルターが強力にかかっている、と感じたので、この本も、そのあたりを警戒しつつ読み始めた。

    でも、「子どもたちの階級闘争」と比べると、こっちはとっちらかった部分がずっと減って、スッキリしており、良かった。(出版年はこっちが先みたいだけど・・・)

    1章は、うーん?と思う部分も多少はあったが、2章も含めて、著者自身の意見はほとんどなく、ほぼデイリー・メイルとガーディアンの記事ウォッチングに終始している。ふだんそういうものは読まないので、おもしろかった。
    どの執筆者たちもはっきりクリアに自分の立場を表明していて感心した。立場をクリアに表明、って当たり前に思えるけど、でも日本の新聞を読んでいると、「ん? 結局この人、どっち?」って思うことが多いから。何も断定せず、あいまいなままに言えちゃう日本語の特性のせいでもあると思うけど・・・
    とにかくニコラ・スタージョンが抜群に頭が切れる、という印象。すごいなぁ。
    日本でスコットランドの独立をめぐる投票を見ていて、最初はバカげた話と思っていたらどんどんリアリティを増していってビックリしたのを覚えているが、その裏にはこの人の力があったのか、と納得した。

    で、読んでいて、熱いだけにやや短絡的な著者の意見が変に入ってないから良いわ~、でも、これ、ただの新聞記事ピックアップだよなぁ、これで「地べたからの政治レポート」ってよく言えるなぁ、そもそも日本語でこれを書く意味はなんなんだろう、なんて意地の悪いことを思っていたら、3章に入るとスタイルが変わり、日本の事情もからめた著者ならではの「政治レポート」になっていて、とてもおもしろかった! 
    特に、ブログ読者の「『一九四五年のスピリット』よりも『薔薇』のほうが日本人には難しいと思います」っていう意見! びっくりした。確かに。
    デモや平和憲法をめぐる考え方への違和感についても、日ごろのモヤモヤが言葉にされた感じでスッキリ。
    「弱者が見えないものにされて、その『消す作業』が誰の犯罪にもされていない」という意見もとても考えさせられる。
    「経済難民は最も重大な世界の変化を示している」という話も、なるほど、と興味深かった。(すべての経済難民をひとまとめすることはできないとは思うけど)
    この3章のおもしろさは、やっぱり1章、2章のニュースピックアップがあったからこそよね、とも思う。

    私もどっちかって言うと左寄りだけど、この人の本を読んでいると、「ああ、右な人はこういう目で左の人を見ているのか~」と分かって新鮮だった。ご主人から「お前はレフト気味だから」と言われた、と著書「ぼくはイエローでホワイトで・・・」に書いてあったけど、いや、レフト気味どころじゃないだろう、ガチだよ、と思う。
    まあ、この著者によると、今はもう左や右じゃない、ってことですが・・・

  • スコットランド独立運動とはこういうことだったのね!とようやく分かった。ニュースをちらちら読むだけでは全く分からなかった背景を丁寧に説明してくれている。これはマネー対スピリットだと一般の人間にも分かるように解説してくれている誌面、他にあっただろうか?
    海外在住ブロガーは数多いれど、これほど充実したポリティカルレポートを読めるのはありがたい。

    それにしても日本もアメリカもイギリスも、格差が進みすぎて「先進国」とは何ぞやという気持ち。

  • 『米と薔薇』の章が良かった。
    「パンと薔薇」の“薔薇”って、苦境や貧困に咲く花のシンボルで「ディグニティ」(尊厳)を表してたのか。もっと華やかなことを表してるのかと思ってた。(“パン”以外の部分の例えば「娯楽」とか。それって「パンとサーカス」のほうか…。)
     
    日本って確かに“米”というより“薔薇”のほうで殺す力が強く働いている感じだよなぁ。“米”のほうで切り落ちたり追い詰められるのも、“薔薇”の部分が大きいっていうか。

  • (後で書きます)

  • やっぱりブレイディさんの本は面白い。これを留学するときに読みたかったと心から思う。

  • イギリスの貧困事情がリアルに描かれている
    地べたからの報告が日本も他人ごとではない事態になっている
    お笑い枠のような存在だったジェレミーコービンの飛躍も今の混沌とするヨーロッパを象徴している

  • 著者:ブレイディみかこ

    【メモ】
    ・シノドス記事
    2016.09.17 Sat 「もしもし、ヨーロッパです」「こちらは日本です」――階級の時代の回帰に寄せて
    http://synodos.jp/international/17907


    【版元の書誌情報】
    本体1,800円+税
    刊行日:2016/06/22
    ISBN:9784000023993
    四六 304ページ 在庫あり

    [句読点多目の内容紹介]
    社会保障の削減.貧困の拡大.緊縮政策によって未来を奪われる若者や労働者たち.日本と同様の問題に直面する欧州にあって,英国やスペインでは新たな求心力を持った左派が支持を集め,大きなうねりをまきおこしている.在英20年のライターが,いま欧州に吹く風を日本に届けるべく,熱い思いとクールな筆致で綴った話題の政治時評.
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b243707.html


    【目次】
    目次 [v-ix]
    凡例 [x]

    I
    こどもの貧困とスーパープア[2014年3月18日] 003

    格差社会であることが国にもたらすコスト[2014年4月1日] 007

    ハラール肉と排外ヒステリア[2014年5月23日] 011

    アンチ・ホームレス建築の非人道性[2014年6月13日] 015

    アンチ・ホームレスの鋲が続々と撤去へ[2014年6月15日] 019

    BBCが外注者にする質問――「あなたはゲイ?」「ご両親は生活保護受給者?」[2014年7月22日] 021

    貧者用ドアとエコノミック・アパルトヘイト[2014年8月4日] 025

    餓死する人が出た社会,英国編[2014年8月6日] 029

    英国式『マネーの虎』で失業率を下げる方法[2014年8月21日] 033

    スコットランド狂想曲――経済とスピリットはどちらが重いのか[2014年9月14日] 037

    スコットランド狂想曲2――市民的ナショナリズムと民族的ナショナリズム[2014年9月17日] 043

    海辺のジハーディスト[2014年10月14日] 048

    地べたから見たグローバリズム――英国人がサンドウィッチを作らなくなる日[2014年11月18日] 054

    風刺とデモクラシー――今こそ「スピッティング・イメージ・ジャパン」の復活を[2014年12月17日] 059

    トリクルアウトの経済――売られゆくロンドンとディケンズの魂[2014年12月29日] 063

    アンチ・グローバリズム・イン・ザ・UK――スコットランドが示した新たな道[2014年12月] 068


     II
    政治を変えるのはワーキングクラスの女たち[2015年1月13日] 075

    英国が身代金を払わない理由[2015年1月21日] 080

    フェミニズムとIS問題[2015年2月7日] 084

    労働者階級のこどもは芸能人にもサッカー選手にもなれない時代[2015年2月26日] 089

    人気取りの政治と信念の政治[2015年3月7日] 094

    スコットランドの逆襲[2015年3月9日] 099

    固定する教育格差――「素晴らしき英国の成人教育」の終焉[2015年4月3日] 103

    「左派のサッチャー」がスコットランドから誕生?[2015年4月9日] 107

    国の右傾化を止めるのは女たち[2015年4月21日] 112

    英国総選挙の陰の主役,スコットランドが燃えている[2015年5月5日] 117

    英国選挙結果を地べたから分析する――やっぱり鍵はナショナリズム[2015年5月9日] 123

    住民投票と国民投票――国の未来は誰が決めるのか[2015年5月20日] 128

    「勝てる左派」と「勝てない左派」[2015年6月3日] 132

    右翼はLGBTパレードに参加してはいけないのか[2015年6月12日] 137

    スコットランド女性首相,現地版ネトウヨの一掃を宣言[2015年6月28日] 143

    ギリシャ危機は借金問題ではない.階級政治だ[2015年7月4日] 148

    ギリシャ国民投票―― 六人の経済学者たちは「賛成」か「反対」か[2015年7月5日] 155

    ユーロ圏危機とギリシャ ――マーガレット・サッチャーの予言[2015年7月9日] 160

    英国政治に嵐の予兆?――「ミスター・マルキスト」が労働党党首候補№ 1に[2015年8月5日] 165

    英労働党党首候補コービン,原爆70年忌に核兵器廃絶を訴える[2015年8月9日] 170

    英国で感じた戦後70年――「謝罪」の先にあるもの[2015年8月18日] 176

    欧州の移民危機――「人道主義」と「緊縮」のミスマッチ [2015年9月7日] 181

    英労働党に反緊縮派党首が誕生――次はスペイン総選挙だ[2015年9月13日] 186

    再び暴動の足音? ロンドンがきな臭くなってきた[2015年9月29日] 191

    左翼が大政党を率いるのはムリなのか?――ジェレミー・コービンの苦悩[2015年月10日15] 195

    ロンドン市長「移民を受け入れないと日本のように経済停滞する」[2015年10月19日] 200

    保守が品格を失うとき――ジェレミー・コービンが炙りだすエリートの悪意[2015年11月8日] 205

    パリ同時多発テロ――レトリックと復讐。その反復の泥沼[2015年11月17日] 210

    元人質が語る「ISが空爆より怖がるもの」[2015年11月19日] 215

    右も左も空爆に反対するとき――キャメロンの戦争とブレアの戦争[2015年12月1日] 220

    仏選挙で極右が圧勝.でも英国はジェレミー・コービン労働党が白星[2015年12月8日] 225

    スペイン総選挙でポデモス躍進――欧州政治に「フォースの覚醒」[2015年12月22日] 230

    左派はなぜケルンの集団性的暴行について語らないのか[2016年1月16日] 235


     III
    米と薔薇――新自由主義の成れの果ての光景[2015年11月] 243
      ジェレミー・コービンと安保法案反対デモ
      ‎襖の向こうのアナキズム
      ‎日本人の薔薇
      ‎WAR IS NOT OVER

    民主主義ってコレなのか?――ポデモスが直面する現実[2016年2月] 263
      迷走するニュー・ポリティクス
      ‎下から上に
      ‎ポデモスが直面する現実
      ‎欧州の反緊縮派が日本に示すもの
      ‎クラウドとグラスルーツ

    あとがき(二〇一六年四月 ブレイディみかこ) [285-291]
    初出 [292]

  • 本当は同じ著者のモリッシーに関するディスクレビューを読んでみたかったのだけど、その前に別の本を読んでみようと思って図書館で借りてみた。あまり政治的なことは他人と話をしないし、考えることも多くないのだけど、やっぱり自分には著者のようなレフト的な考え方のほうがしっくりくる。

  • うーん、まあ、合わない。言ってることに特段の反論があるわけでもないのだが、でも微妙に反論はあるというか。私の考え(と言えるほどの考えもないのだが)とは最初から最後までずっとズレたままというか、そんな感じ。

    あと文体。というよりとにかく文体。合わない。くどい。そして行間から漂う「どう?どう?ユーモアあるでしょ?」というのが合わない。まあ文体が合わないのはしょうがない。

  • かなりおもしろかった。イギリス映画が好きな理由が分かったかもとかこの先そんな映画やブリティッシュロックが出てこなくなっちゃうというのはゆゆしきことだとか思ったし,何より全般的な雰囲気というかロックな感じにすごく共感する。「地べたから」というのが貫かれてるからそう思うのかな。
    継続して読んでいきたい,と思う人の本だった。

  • EU離脱をめぐるイギリスの状況の根っこにあるものは何か。
    激動のヨーロッパの今と日本の今はどのようにつながっているのか、いないのか。
    20年以上、イギリスで低所得者向けの保育所で働くブレイディさんの最新刊を読めば、もの凄く腑に落ちる。

    色々な意見の人がいる分野だから、筆者の意見にすべての人が同意するわけではないかもしれない。それでも、筆者の文章が持つ「生活者のリアリティ」を否定する事は難しいと思う。

    ジョン・ライドンやモリッシーなど、反骨のUKロッカーを生きる指針にしているブレイディさん。敬愛するアーティストと同じように、
    「自分が見た事」「自分が感じたこと」「自分が信じる事」を裏切る事は絶対にしないし、書かない。
    その信条が文章の端々から感じられるから、読者は信頼をおいて読む事ができるのだ。

    そして、帯にも書いてある「もはや 右 対 左ではない。下 対 上 の時代だ」というメッセージ。
    左翼/リベラル勢力や彼らの言葉が、いかに労働者階級のリアルに届かなくなっているかをヨーロッパの現実に即して書いた文章は、参議院選挙を前にした日本の今にもあてはまる。

    生活者のリアルに根付かない言葉は、どれほど誠実な政治家の言葉であっても届かない。日本の政治家や表現者が心に刻むべきメッセージ。

    それがイギリスのハードな現実を見つめ続けてきたブレイディさんが出会ってきた
    魅力的な人物や、ケン・ローチの映画のようなリアルなエピソードと共に伝えられる。

    これから、さらに重要性を増すライターだと思う。

  • 『ヨーロッパ・コーリング』ということで、ヨーロッパ全体を扱ったものだと思っていて読み始めましたが、基本的にはイギリスにフォーカスした一冊でした。ただ、イギリスの状況をあまりよく理解していなかった(あまり知ろうとしていなかった)ので、結果的に面白く読めました。
    いわゆる左翼・極左であったり、ポピュリズムであったり、批判的な論説を見かけることが多く自分の理解もそうだったのですが、そういう点でもものの見方を変えてくれました。

    イギリスの下層の人たちの現実を肌で感じることができましたが、日本のそういった人たちの暮らしのこと・現実のことを全然知らない、知ろうともしていない自分にも気づけました。人のふり見て、ではないですが、日本のことも知りたいなと感じました。

  • 2016.12.9
    ヨーロッパの政治のことなんてほとんど知らないのになぜこの人の文章はすっと入ってくるのでしょう?
    日本はいまだに経済成長とかグローバルとか言ってて、今年は英国のEU離脱とかトランプだとか世界的にはかなり潮目が変わった年で、日本はどうなるんでしょう?
    ポデモスとかコービンとかスタージョンみたいな影響力のあるカウンター勢力が出現しないのは何故でしょう?
    アメリカが望んでいないからか。

    日本の貧困層が閉じた襖の向こうに居るから見えないというのは良くわかる。政治家も一般の人も自分自身が貧困である人も見ないようにしているように思う。

  • 久しぶりにエキサイティングな海外事情ものを読んだ。居住歴が長い筆者ならではの観察眼はなかなかないものと思う。スコットランド独立>EU離脱>トランプ当選が一直線で繫がっていることが実感できる。地べたの暮らしが理解できない左派政党の現状が、人々の諦観を生み出し、既成政党離れに帰結する。それはまさに日本も同様だと思えた。今年の必読書の一つ。

  • イギリスの保育所で働く著者が、ヤフーニュースに寄稿した文章をまとめた本。友だちに紹介してもらい、その存在を知りました。

    EU離脱決定が世界に衝撃を与えましたが、今のイギリス社会の状況が生活者の視点から紹介されており、表面的な報道だけでは知ることできない深部を感じることができました。貧困と格差の広がりはすさまじく大きく、富裕層100人の資産総計が、最下層1800万人(人口の30%)の資産総計と同じとなっていることや、緊縮政策によって未来を奪われる若者や労働者たちの姿は、日本の現状と重なってきました。

    その中で、これまでにない政治的主張が取り上げられるようになってきた事実は、昨年来の戦争法反対の運動や市民連合が後押しした野党共闘の方向を考える上でも示唆的だなと思います。

    「右」と「左」でなく「上」と「下」の時代になっているという筆者の指摘、新たな方向を模索する社会であるが大きな混乱や揺り戻しが起るとも想定される中、しっかりと考えないといけないですね。

    お勧めの一冊です。

  • 対談
    経済にデモクラシーを ── 地べたのポリティクス
     ブレイディみかこ (英国在住保育士) × 國分功一郎 (高崎経済大学)

    世界 2016年11月号

全25件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

ブレイディみかこ:ライター・コラムニスト。1965年福岡市生まれ。高校卒業後、音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。著書に『子どもたちの階級闘争』(みすず書房)、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)、『他者の靴を履く』(文藝春秋)など多数。近年は、『リスペクト』(筑摩書房)、『両手にトカレフ』(ポプラ社)などの小説作品も手がけている。

「2024年 『地べたから考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ブレイディみかこの作品

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