- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000024273
作品紹介・あらすじ
二〇〇二年九月一七日、北朝鮮・平壌で行なわれた日朝首脳会談。この日を出発点として、「近くて遠い」二つの国の歩み寄りが始まる-はずだった。しかしあれから八年、両国の関係改善は停滞し、北朝鮮では核開発が進められ、緊張はむしろ増してしまっている。日本国内では、拉致問題をめぐってメディアも政治も硬直したままでいる。異様な「北風」が吹き荒れ、それは「反北朝鮮ナショナリズム」とでもいうべき歪んだ数々の事象を引き起こした。本書はその一断面を描いたルポルタージュである。
感想・レビュー・書評
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北朝鮮にて
青木さんがカバンに見えるものは、やっぱり私にもカバンに見えるのです。
救う会と家族会、
在日朝鮮人帰国協力会、1959年12月14日、帰国船の第1便、帰国の喜びに泣き出す人の声、地上の楽園と信じて疑わなかった。 -
漆間は警察長官当時、北朝鮮への圧力を行うのが警察の役割だと述べていた。そして漆間が長官時代には、これでもかと思うくらい朝鮮総連を捜査していた。こういう長官がもっと登場することに期待する。こういうタカ派の長官がいないから日本はなめられる。
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救う会、家族会 内部に元共産党活動家 その影響をうけ発言が先鋭化 寄付の使い込み
現代コリア研究所 元は日本朝鮮研究所 寺尾五郎 元共産党活動家 ファナティックかつエキセントリックな言説 -
北朝鮮による拉致問題が明らかになった後、当然といえば当然だが、反北朝鮮ムード一色になった。しかし、それに乗じて、歪んだ事象が引き起こされなかったか。ある意味、タブーに踏み込んだルポである。
多くのページが割かれているのは、拉致被害者の家族を〝サポート〟していた「救う会」。「現代コリア研究所」が中心となった団体だが、世論を背景に国民的運動を巻き起こす。しかし、国家権力への接近やかつて縁のなかった巨額な資金が飛び交うようになるつれて、内紛が生じ、運動の性格も極端化していった。十年以上「救う会」の会長を務めた元会長の佐藤勝巳氏は著者のインタビューに実にあっさりと〝実状〟を認めている。
その他、「北朝鮮に日本と交渉させる気にさせるのが警察の仕事だ」とした漆間警察庁長官の〝暴走〟や、拉致解明のキーマンと持ち上げられながら、麻薬で捕まった脱北者、安明進氏などを取り上げている。
著者プロフィール
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