歴史のなかの新選組

著者 :
  • 岩波書店
4.24
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000025317

作品紹介・あらすじ

激動の幕末維新期に光彩を放ち、今なお多くの人を惹きつけてやまない新選組。その実像に、信頼に足る諸史料を駆使して迫り、幕末期のダイナミックな構造の中に不可欠の要素として位置づけなおす。維新史研究の第一人者が提言する"新選組史論""新選組史料論"。

感想・レビュー・書評

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  • 小説や単なる資料ではなく、資料を読み解いた筆者の見解という形で、
    ある種新鮮で、冷静に読むことができた。
    近藤勇が政治家であるという描き方は、今まで何冊か読んできた小説の中にはないものだった。
    それだけにその解釈には興味を覚えたし、確かに実際そうだったのではないかと思う。
    小説は、全てが本当なわけではない。
    そしてまた、こうした資料も受け手によって捉え方が変わってくることもある。
    多くの本と接して、自分なりの新選組を捉えていきたいと思っている自分には、
    今まで読んだ資料本の中では一番面白く読めたし、参考にもなった。

    とても分かりやすい本だと思う。

  • ★★★★★、10個です(^-^;)。

    土方・沖田の書簡集があって、なぜ近藤のが無いんじゃぁ〜!というのが、新選組資料漁りの発端だったのですが(だって、局長なのにおかしいじゃん!)、この本ですっきりしました。この本の著者先生も同様のことを思っていたようで、近藤勇が本当はどんな人だったのか想像するのにかなり助けになる資料をまとめて下さっている。

    新選組については、ディテールは詳細だが全体像が分からない最右翼と思っていて、小説で情緒的に盛り上がってるのが実際の彼等とどの程度隔たりがあるのか皆目検討もつかないほどの五里霧中。近藤とか土方とか沖田って、本当はフィクションで実在しなかったんじゃないの?と思えるほどいろんなキャラクターとなって存在していて。

    そんな中で、幕末の歴史の中でどんな存在として実在していたのかを知るための本としてようやくたどり着いたのが、松浦令の「新選組」(思想史として)と、この本(政治史として)。かっこいい最期の武士の物語じゃなくて、幕末においてどのような勢力がどのように動いていたかの一角として捉えたいなら、この2冊を強烈にプッシュします。

    調べていくうち、今の政治状況と幕末期がそっくりと思うようになっているのですが、まぁそれはまた別の話。

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著者プロフィール

1944年生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。
専攻、日本近代史。
元国立歴史民俗博物館館長(名誉教授)・東京大学名誉教授。

主な著作
『日露戦後政治史の研究』(東京大学出版会、1973年)
『幕末維新風雲通信』 (東京大学出版会、1978年)
『天皇制の政治史的研究』(校倉書房、1981年)
『国際政治下の近代日本』(山川出版社、1987年)
『幕末維新期の文化と情報』(名著刊行会、1994年)
『幕末維新期の社会的政治史研究』(岩波書店、1999年)
『歴史のなかの新撰組』(岩波書店、2004年)
『通史の方法』(名著刊行会、2010年)
『幕末維新変革史』(岩波書店、2012年) 
『歴史のなかの『夜明け前』 平田国学の幕末維新』(吉川弘文館・2015年)

「2018年 『幕末維新像の新展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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