心理療法序説

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著者 : 河合隼雄
  • 岩波書店 (1992年2月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000026901

心理療法序説の感想・レビュー・書評

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  • 実務に沿ったアドバイス集のような感じだったので、全体の編集が治療者で無い自分にはなじまなかった。

    ・ある治療者に対して、クライエントが自殺をしたいと思うが、その勇気がない。しかし、ここからの記と、駅までは自動車の交通が激しいので、交通事故に見せかけて死んでしまおうと思うと言う。あげくの果ては、「先生、すみませんがせめて駅まで送って下さい」ということになり、この治療者は安易にそれに従がって、以後はクライエントの依存心を強化してしまって、非常に困難な状況になっていった。
    このとき、以上の事を予想して、もし送らないとするとどうだろうか。もちろん、そのときは自殺はしないという判断にたってのことだが、もし、それでもクライエントが死ねば大失敗ということになる。こんなときに、いつも通じる「正しい答」などというものはない。治療者はともかく判断を下して行動しなくてはならないが、このとき、送ってゆくのと送ってゆかないのとを比較すると、後者の方がはるかに心的エネルギーを必要とすることは明らかだろう。
    心理療法家はできる限り、心的エネルギーを使う方に賭けるよう心がけるのである。それを間違って、クライエントのために、あちこち走り回ったりするのを「熱心」と思ったりする人がある。

    ・「科学は客観的真理と誤解されている。しかし、科学は実在の世界(第一世界)を個人の心の世界(第二世界)が描いた社会的な表象(第三世界)にすぎない」―ピーター・ミッチェル

    ・このようなとき、ピストルの話を聞いて、そのときは黙っていて、クライエントと別れてから陰で警察に通報したりするのは最低のことである。そのような裏切りをしてカウンセリングができるはずはない。それでは、中学生がピストルをもっていると知って、警察に言うのか、言わないのか、あるいはそのどちらも駄目とするとどうすればいいのか。このように二者択一的考えに陥り、どうにもならないと思うのは、事態が見えなくなっている証拠なのである。そのように結論をすぐ焦る態度ではなく、この少年はどうしてピストルなどをもつことになったのか、その事実はなぜ、他ならぬ今、この自分に告げることになったのか、などについて、少年および自分自身をとりまく状況全体の流れのなかで見ていると、解決法が浮かびあがってくるのである。

  • 図書館所蔵【146.8KA】

  • 2005

  • 著者が京都大学を退くにあたって書かれた<br>
    画期的な概説書。とあります。

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