人生の習慣(ハビット)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000026932

作品紹介・あらすじ

選りすぐりの講演から生まれた最新の文学・思想論集。

感想・レビュー・書評

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  • 講演集のノート、原稿。信仰を持たない者の祈り、東京女子大学、1987-10。「癒し」、恢復と文学、大阪、1988-7。文学からリハビリテーションを考える、東京、1988-9。日本の知識人、ルーヴァン大学、1988-10。日本の周縁とヨーロッパ、ブリュッセル(仏語)、1989-10。アフリカへ、こちらの周縁から、京都、1989-10。ポストモダンの前、われわれはモダンだったのか?、カリフォルニア大学サンディエゴ校(英語)、1990-1。人生の習慣、1990春。なぜフランクフルトに来たか?、フランクフルト図書市、1990-10 。考える書き方、高松、1991-1。小説の知恵、東京、1991-3

  • ヴォネガット「私は自分を囲んでいるケイオスについて何かをすることはでいない。しかし、少なくとも自分はこれくらいの四角い画面を完全に秩序あるものに変えることができる」
    クンデラ「私は、ペシズムという言葉にもオプティズムという言葉についても注意深くしているのです。小説は何事をも確信(Assert)しない。小説はさまざまな問題を捜し求め、提示するものです」「人々の愚かしさというものは、あらゆるものについて答えをもっているということからくるのだと自分は思う。あらゆるものについて自分は答えをもっていると考えることによって、愚かしさというのものが生まれるのではないか」「人間の権力に対する闘いは、忘却に対する記憶の闘いだ」大江「自分としては、小説のなかに、人間とは何かとか、社会とは何か、生きることは何かという問いかけの言葉を書きたいと思っている」「宗教のある人間もない者も含めて世界中でいちばん大きい祈りは何かというと、私たちの後にも世界が続くようにということじゃないか」上田敏教授「ひとりの障害者が事故によって障害を受ける。『ショック期』の無関心や離人症的な状態。『否認期』の心理的な防衛反応として起こってくる、疾病、障害の否認。ついで障害が完治することの不可能性を否定できなくなっての『混乱期』における、怒り、うらみ、また悲嘆と抑鬱。しかし障害者は、自己の責任を自覚し、依存から脱却して、価値の転換をめざす。この『解決への努力期』をへて、障害を自分の個性の一部として受け入れ、社会・家庭の中に役割をえて活動する『受容期』」漱石「自分の事と、自分の今日の、ただ今の事より外に、何も考えてやしない。考えられないほど疲労しているんだから仕方ない」

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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