近代家族の成立と終焉

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 175
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000027427

作品紹介・あらすじ

いま家族はどこから来てどこへ行こうとしているのだろうか。家族が家族であるための条件は何か。ファミリィ・アイデンティティという独自の視点から家族の多様性を描き出すことを通して、揺れ動く現代家族の現実を鮮やかに浮き彫り。日本における近代家族の成立を歴史社会学的に位置づけるとともに、高度成長以後の日本の社会変化と家族の変容を文学社会学的方法をも駆使しつつ考察する。女と男の関係はいかにあるべきかを問い続けてきた著者が、大きな枠組みと鋭い問題意識の下に構想したオリジナルで刺激的な新しい「家族の社会学」。

感想・レビュー・書評

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  • 昔よく読んでいた。

  •  あたかも超歴史的・超文化的な、恒常的に同一的なところのものとして一般に思念されている、この「家族」という謎な構築物を、歴史的に紐解いて分析するという本である。「家族」が、いつ頃にできたのか、そしてどのような変遷をたどってきたのか、ということを知るには、うってつけの一冊であろう。
     2009.1.27-30.

  • amazonの書評を見るとイチャモンとしか思えないような程度の低いものがありますが、そんなのは無視しましょう(「愛」とかで「普通の家族」なるものを無邪気に語るの、もうやめましょうね)。まず、最初の論文「ファミリィ・アイデンティティのゆくえ」は、「『家族』とは何モノか」という点について再考するための導きの糸として非常に重要、かつおもしろい。そして中ほどに収録されている「技術革新と家事労働」という(地味な題名の)論文が、「技術革新=家事省力化」という素朴でナイーヴな物言いに対する反論として有益、そしてもちろんおもしろい。もちろんこれ以外の論文もおもしろいんですが、ワタシとしてはこの2本がとくにオススメです。(20060122)

  • 「読みたい本」

  • 30年以上前の本なので、リアルタイムな内容かといえばそうではなく、だが一方で中には現代的な人間関係を予言したような文章もちらほらある。フェミニズムないし女性の社会進出が「家族」に対しどのような影響を与えたのか知るには絶好の本な気がするが、一方で今読むと色んな視点がかけているような気もする。特に気になったのは、女性の不倫について分析しているところで、それに巻き込まれる人たちのことがあまりにも無視されているのでは、という気がした。特に、母親の不倫を知った子供とか、あれだけいろんな家族のアンケート取ってたのに、肝心のこういうところは無頓着すぎるような…と。ただ、論理も明快で、わかりやすく読めて、さらに勉強になった。

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著者プロフィール

上野千鶴子(うえの・ちづこ)東京大学名誉教授、WAN理事長。社会学。

「2021年 『学問の自由が危ない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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