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Amazon.co.jp ・本 (234ページ) / ISBN・EAN: 9784000029131
みんなの感想まとめ
子どもたちのための文学の魅力や重要性を再認識させてくれる作品です。25年前に書かれた本書は、当時の読書環境や子どもの状況を反映しつつ、現代にも通じる普遍的なテーマを扱っています。特に、自由や失敗につい...
感想・レビュー・書評
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臨床心理学者の河合隼男さんと、詩人の長田弘さんの「子どもの本をめぐる」対談集。
1994年~95年に雑誌で連載していたものに加筆。
作品に対する深い考察もさることながら、子どもの本は子どもたちだけのものではないという視点で終始語られる。
児童書も絵本も、子ども向けの本というのはいつも直球で胸に飛び込んでくる。
そこには「真実」があり、人間のたましいに直接作用してくる。
大人にとっては、自分の心の有り様を確かめるための鏡のような役割を果たしてくれる。
「子どもの本のPR賞をもらいたいくらいだ」と言われる河合隼男さんは、大人になってから「ゲド戦記」に出会って夢中になり、講演でもその話をしてまわったのだとか。
かたや長田弘さんはカニグズバーグとピアスに出会って「読む前と読んでからが、ガラッと世界が変わってしまった」と言われる。
さすが!おふたりとも、お目が高い・笑
「積読」の大切さを説いている箇所があるので挙げておこう。
「ツンドクというのは読まないというのとは違うんですね。何かの拍子に読める。
そして夢中になるのがツンドクなんですね」
「しなかったもの、しそこなったもの、つい忘れてそれっきりのもの、そういうものの中には実は、自分で気づいてない豊かなものがいっぱいあるんだってことを、忘れたくないですね」
そしてツンドク本は、子どもの目に見えるところに置いておくのが良いのだと。
日常その本が見えていると、その本のイメージがずーっと自分の中に残るものだそうだ。
そうして、記憶のなかにツンドクだけで読まなかった子どもの本というのを、大人が自分のなかにどれだけ持っているかが、実はその大人の器量を決めるんじゃないかなぁ。
という長田さんの言葉が続く。
記憶の中のみでなく、現実にもたくさんの積読本を抱えているブク友さんたち。
この言葉が読書の励みになるかも。
「赤毛のアン」「モモ」「子鹿物語」、そしてピアスと宮沢賢治作品の考察がとても深い。
とりわけ「モモ」は河合さんにとって特別らしく、心理療法家の必読書であるらしい。
長田さんが積極的に作品を提示して語り、河合さんがじっくり聞いて受けるという図式は、互いの職業による特性なのだろう。
河合さんの後書きによれば、対談は本当に楽しいものだったらしい。
嬉しくて嬉しくて話したいことがいっぱいあったらしく、こちらにもそれが伝わってくる。
「前書き」の担当は長田さんで、ドイツに伝わる民謡集から「魔法の庭」を紹介している。
この最後の一行が空けてあるのだが、どうにも気になる。
ご存じの方がいらしたら教えてね。
本書ではおふたりの「ようこそ、子どもの本の森へ」という一行が書き入れてあるが。
とうに鬼籍に入られたおふたりだが、今も天国で対談されているに違いない。
本を開けばいつでも会えるという喜びが、私たちには残された。
煌めくようなフレーズだらけで、これ一冊でも心は満たされる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どこかの書評で見たのか、図書館で気になったのか。もう25年前くらいの子どもの本ガイドブック。読書界隈も、子どもの状況も、当時とは隔世の感があるけど、本書で語られる内容は、ほぼ今の世界にも共通する問題。そして、いわゆる古典と呼ばれる作品群は、やっぱり世代を超えて強いな、と。特に気になったのは下記。
子どものための美しい国 -
対談物を読むのがあまり好きじゃない。けど、
自由というのは、失敗する自由、間違う自由。(長田弘)
こんなん読まな損やで、こんなおもしろい本。(河合隼雄) -
これは何度か書いてきたことだけれど、私自身は子供のころあまり本は読まなかった。本格的に読み出したのは高校生になってから。それも、物語ではなく、物理学者の伝記物なんかが多かった。児童文学に興味を持ち出したのは自分の子どもができてから。といっても、本書で紹介されている本の中で読んだことがあるのは「ゲド戦記」(ル・グィン)と「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)だけ。ケストナーとかピアスとかカニグズバーグとか早く読んでみたい。ところで児童文学を書ける日本の作家は少ないんだなと感じました。その中で、やはり宮沢賢治はすごいのだとあらためて思いました。絵本では「はらぺこあおむし」(カール)と「かいじゅうたちのいるところ」(センダック)が我が家にもあります。もううちの子供も絵本を必要としなくなってきていますが、大人が読んでも楽しい絵本はいっぱいありますね。島田ゆかさんの絵本だけは出るたびに買っています。本当に楽しい。
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興味深い指摘は多いが、論が深まっていかない、もどかしさを感じた。
・大人と子どもの違いは、子どもは窓を乗り越えて出入りできる人間。大人はもう窓を乗り越えない。それで大人は失敗した時、「なんでこんなバカなことをした」って言う。
・いちばん自分のことを分かってくれていて、いちばん親しいと思っている人の裏切りが、大人になるために必用。
・人は秘密を持つことで自分の個を発見する。秘密は隠すものでなく、見出すもの。
・動物と友達になるというのはさわることの回復。さわること、触れることによってイヤされる。恋愛もさわること。手をつなぐ。キスをする。セックスをする。触れる行為。触れ合いというのは本来汚れ、におい、その他が全部入っている。
・誰か一人の具体的内人物に話しかけるとか書くとかいうのは、すごく迫力がある。
・絵本の物語は子守歌ではない。文ではなく絵だから。
・どんな絵本でも、絵本のテーマは結局、時間。
・いろいろどう変わっても朝があり昼があり夜があり、青虫は蝶になる。世界にはそういう変わらないものがあり、そこに大切なものがあるというのを、絵本は語りかける。
・アメリカでは絵本は生活の一部。日本は贅沢品。
・オリジナリティではなく、リサイクル。採話。
・大人も子どもに負けぬように、もう少し悩み続けてもいいのではないか。解答をすぐに求めない。
・居場所がないのではなく、逃げ場所がない。
・子どもに対する圧力はすごい。それが善意に基づいているから、よけい恐ろしい。
・すべからず、と言ったら厳しそうだが、それ以外はなにをやってもいい。すべし、はしんどい。
・自ら面白いと思う力をおたがいのあいだに、オープンに育むことで、子どもの本は人間の原型的な経験をつくってきた。 -
河合隼雄さんのやさしい語り口が好きです。
以前、村上春樹と対談していた本もよかったなぁー。
ここに紹介されている絵本や児童書は、
けっこう有名で誰もが知ってるものが多かったので
わたしも読んでいる本が何冊もありましたが、
改めてもう一度読み返してみたくなりました。 -
いろいろと読みたくなる本がたくさんあった。子どもの頃に読んだ本もいくつかあって、懐かしかった。
大人だからこそ児童書は読むべきだと強く共感。 -
臨床心理学者と詩人の二人が子どもの本について語る対談本。終始子どもの本は面白いというスタンスで語られているのが印象的であり嬉しく思う。そう、子どもの本は読むと賢くなる、読むと心豊かになる、読むと自立神経が安定する、そんな効能を求めて読むものじゃないんですよね。
途中から子どもと社会、子どもの居場所という問題に話題が移るが、これも関心ある話なので興味深く読みました。 -
長田さんと河合さん。わたしの大好きな二人がわたしの大好きな子どもの本について話す。ま、森について聞くよりも、自分で実際に入っていくほうが何倍も楽しいが。24 Apr 2007
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読み逃した本がいっぱいだ。今からでも遅くないかしら。
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貸出状況はこちらから確認してください↓
https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00114811 -
二人の掛け合いが良い。
どんどん話に飲み込まれていく。
話に出てくる本は欄外に書いてあるので、図書館や古本屋でひたすら探す。読む。
子どもが産まれて、本を自分の為に読む機会が今は大分少なくなってしまっているが、本を読む楽しさを思い出させてくれる良書です。
古さは全然感じません。
出来るなら、常に手の届く所に置いておきたい。(子供に破られそうなので今はガマン笑) -
知人にお借りして。
元々児童書が好きなので、いつか読もうと思っていた本ばかりで、これから忙しくなりそう。
「永遠よりも一瞬のほうが長いというふうに思えるんです。〜記憶というのは人のなかに鮮やかにのこる一瞬ですね。いい絵本がいい記憶をのこすのはそのためですね。〜」
「〜『ちいさいおうち』は文章なしでわかるんです。後になってもちろん文章も読んだけれども、絵本というのは文字を読むんじゃない。絵を見ていて、心に浮かんだものが文章になって出てくるだけだ。〜」 -
お二人とも子どもの本が大好きなんだなぁ
大人にも子どもにも必要な不可欠なものだから、多くの人に読んでほしいという気持ちがあふれていました。
子どもの本には魂の現実がストレートに書かれていて驚かせてくれるとのことです。
子どもの頃に読んだ本、今でも我が家の本棚にある題名がたくさん出てきましたが、あれは好きだったなぁぐらいで内容は、ちっとも覚えていません。
読み返してみようかな…
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