証券スキャンダル (岩波ブックレット)

著者 :
  • 岩波書店
4.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 2
感想 : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000031639

作品紹介・あらすじ

そもそも証券会社の仕事ってなんなのだ?株式取引での個人と法人との違いは?損失補填の意味は?補填リストの公表で何が判明したか?なぜ暴力団がかかわるのか?日本資本主義のゆくへは?さまざまな疑問に答えながら、スキャンダルの構造をよみとく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  奥山宏著『証券スキャンダル』。1991年6月20日の『読売新聞』は、報じたのだという。
     「野村証券が大口顧客に160億円の損失補てんをしていた」(26p)。

     奥村は指摘する。他の三大証券、大手、準大手、中小証券と損失補てんの事実はひろまり、総額は1,720億円になった、とする(同)。

     証券業は、直接金融と区分されることを最近になって知った。
     「ブラック・マンデー」を機に株安がつづいたが、特定の法人や大口個人取引に限って、「補てん」がおこなわれたのだという。

     補てん対象に政治家の名がないこと(35p)、暴力組織の㈱買い占めにも証券会社が加担していること(38p)。

     そもそも四大証券が形成されてきたことを含めて、可能にした土壌(閉鎖性、大量取引・ノルマ制・法人優遇の営業姿勢、ブローカーとディラーを兼業しているなどの制度設計)。

     市民のなかには株取引のリスクについて不安要素があって、知ろうとしないというか近づこうとしない。
     そうした日本的感情のなかで、知られてないことが公然とすすむ、その処理のために税金が投入されていることも、また事実。

     古い本ながら、「あの日、あの時」の理解には、役立ちそう。(岩波書店 1991年10月)

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

奥村 宏(オクムラ ヒロシ)
会社学研究家
1930年生まれ。新聞記者、研究所員、大学教授を経て、現在は会社学研究家。
著書に、『日本の株式会社』『法人資本主義の運命』『無責任資本主義』『東電解体』『パナソニックは終わるのか』『会社の哲学』(以上、東洋経済新報社)、『会社本位主義は崩れるか』『株式会社に社会的責任はあるか』(以上、岩波書店)、『エンロンの衝撃』『会社はどこへ行く』(以上、NTT出版)、『三菱とは何か』(太田出版)、『会社をどう変えるか』(筑摩書房)、『株のからくり』『経済学は死んだのか』(以上、平凡社)、『会社学入門』『徹底検証 日本の電力会社』(以上、七つ森書館)などがある。

「2015年 『資本主義という病』 で使われていた紹介文から引用しています。」

奥村宏の作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×