カフカの迷宮―悪夢の方法 (作家の方法)

著者 :
  • 岩波書店
3.67
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 13
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000035057

作品紹介・あらすじ

謎としての現在へ、語りの迷宮を紡ぐ新しいカフカ物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • カフカの文体の「速度」という着眼点が興味深い。思考に筆が追いつかない。そのズレこそにカフカ独特の速度が出る。
    それから、これはよく言われていることなのかわからないけれど、「変身」がモノローグではなくあくまで三人称であることの意味の指摘が目から鱗だった。たしかに、モノローグにしたなら、単なる「悪夢」の報告にすぎない。悪夢が明晰な三人称で語られるからこその「変身」だ。
    カフカの小説の登場人物には「人格」がなく「関係」だけがあるという指摘もなるほどだ。だから、関係が途絶える時はすなわち死を意味する。そうした視点で「変身」を読んだことがなかったから新鮮だった。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

後藤明生|ごとう・めいせい(1932年4月4日~1999年8月2日)
一九三二年四月四日、朝鮮咸鏡南道永興郡永興邑生まれ。敗戦後、旧制福岡県立朝倉中学校に転入。早稲田大学第二文学部露文学科卒。在学中の一九五五年、「赤と黒の記録」が全国学生小説コンクールに入選、「文藝」に掲載。卒業後、博報堂を経て平凡出版に勤務。一九六二年、「関係」で文藝賞佳作。一九六七年、「人間の病気」で芥川賞候補。翌年、専業作家に。一九七七年、『夢かたり』で平林たい子文学賞、一九八一年、『吉野大夫』で谷崎潤一郎賞、一九九〇年、『首塚の上のアドバルーン』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。一九八九年、近畿大学文芸学部の設立にあたり教授に就任。一九九三年より同学部長を務めた。一九九九年八月二日、逝去。

「2018年 『引揚小説三部作』 で使われていた紹介文から引用しています。」

後藤明生の作品

カフカの迷宮―悪夢の方法 (作家の方法)を本棚に登録しているひと

ツイートする