- Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000036221
作品紹介・あらすじ
-うまくいくさ 民衆は歌った、恐怖と希望に憑かれて。心性史にとっての革命、それは一瞬のなのか、それともなのか、ルフェーヴルの古典が投じた革命的群集への視点に、ヴォヴェルは民衆への新しい多様な視線を重ねる。革命前夜および以後の社会に生まれた人間観・国家観、社会結合のあり方を問い、反革命の心理まで視野を広げる。文学・口承史料、図像史料を駆使して、大革命の全体像に迫る。
感想・レビュー・書評
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ソブールの後継者にあたる革命史研究者による心性史としての革命史研究。本書の中では度々F. フュレ=D. リシェによる革命解釈に対する疑問が提起されているが、だからといってマルクス主義的解釈に立ち戻ろうとするのではなく、革命によって生じたフランス人の「心性」の転換に照準を合わせるというスタイルが貫かれている。フランス国内の地域研究などをふんだんに利用しながら、民衆の暴動や死生観、結婚と離婚、さらには革命を拒絶した人々まで、横断的に革命期フランスの「心性」を解明しようとしている。とはいえ、フュレらが提起しベイカーなどが受け継いだような、フランス革命における「政治的なもの」により着目するべきだという提言に対する正当な批判をしているようには思われない。もっとも、内容の価値を損なうものでもないと思うが。
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『読書の軌跡』阿部謹也より
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歴史社会学はこれからの研究テーマになるだろうということで。