母性 (日本のフェミニズム 5)

  • 岩波書店 (1995年1月1日発売)
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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784000039055

感想・レビュー・書評

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  • 何事も対立と戦いから進展することはないだろう
    部分と全体は車の両輪のようなものである
    人間と社会も同じく対をなす存在である
    個々の人間の自在性と対等性を維持する役目が社会であろう
    そしてその社会を支えているのが個々である

    ところがその社会を私物化して密かに乗っ取り
    不安を煽ることで個々を管理し操ろうとする依存支配者が出てくると
    自律していない個々はマンマと乗せられて
    自分が生まれ持つ生きるための糧を
    依存環境と差し替えに搾取されてしまい
    個々は集いをバラバラにされて奴隷化されてしまう

    男は縄張りの確保と生産のための労働を仕事と言う形であてがわれ
    女は男をサポートし子産みと子育てによる労働力確保を担わされ
    家畜化されてしまう
    こうした分離政策を道徳心で餌付けして個々の家庭の自主性を崩壊させる

    本来ならば母性と父性も家族として集う家庭の両輪であり
    それぞれが両性を持った上で分業しているのである
    そうした部分と全体の関係を中心とするには奴隷制を精算して
    個々が持つべき生活の扶持を社会を通して再分配しなければならない

    その一つが完全無条件によるベーシック・インカム制度である
    個々は大自然からの対等で自在な暮らしの糧を取り戻した上で
    自分なりの選択をすれば自然体としての母性と父性を発揮できるだろう

    何もフェミニズムだのリブだのと力尽くの対立でしかない権利意識を
    持ち出さなくても調和を目指すことで
    個々の自在性とお互いの対等性を確保できるはずだ

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著者プロフィール

元和光大学教授

「2021年 『日本のフェミニズム 150年の人と思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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