- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000041607
作品紹介・あらすじ
拒食と過食とスカトロジー…。臓器感覚でカタる超小説・現代の聖家族。おとうさんと主婦、子どもと異人たちが、家族というテリトリーで演じる、痛快無比な現代のもの。
感想・レビュー・書評
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<出物、腫れ物>
人間からは、いろんなものが出ている。おしっこ、うんこ、汗、精液、涎、痰、涙…。
小学生の時、クリタ君とタナカ君とカツミ君がよくパンツの脱がせっこをしていて、その時の甘いような、おしっこの匂いは自分も同じだった。(男のおしっこと、女のおしっこのにおいは何故あんなに違うんだろう)
物語は、夫とコドモと暮らす「わたし」の日常が展開されていく。それは何がフツーの生活なのか、ということを意識させる生活だ。
おもしろがること、が基本にある。
「経血を吸い込んだタンポンからは、体内のにおいがたちのぼりました。おしっこも、精液も、唾も、汗も、血も、乳も、体内からしみ出るものは、このにおいがします。わたしは小さい頃から体内からしみ出たもののにおいを嗅ぐのが、きらいじゃありませんでした。自分の持ち物にそのにおいをこびりつかせるのも、きらいじゃありませんでした。」
不安な世の中を、おもしろがることで、突き抜けようとするとき、確かな体のにおいは何がしかの安心材料であるには違いない。
2006-07-19 / 小川三郎詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2008/6/11購入
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著者プロフィール
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