E.A.ポウを読む (岩波セミナーブックス 52)

  • 岩波書店 (1995年7月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (212ページ) / ISBN・EAN: 9784000042222

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  • エドガー・アラン・ポーという作家は、ボードレールやマラルメといったフランスの詩人たちとの影響から光があてられ、神話的な伝説にいろどられてきました。しかし本書では、そうした見方からポーを解放し、作家・批評家・編集者の役割を引き受けることでアメリカの文壇においてジャンルの枠組みを構築すると同時に、その枠組みに自覚的にかかわっていくことではからずもそれをみずからが脱構築するような立場に立つことになった作家としてとらえなおそうと試みられています。

    本書は「岩波セミナーブックス」の一冊であり、このシリーズでは多くの碩学がみずからの専門分野についてわかりやすいことばで語った良書が多いのですが、本書は著者がコーネル大学に提出した博士論文に基づいた内容になっており、ことば遣いこそやさしいとはいえ、比較的硬派な文学研究の感触があります。とくにポーの三度にわたってなされたホーソンの書評について考察している章は、アメリカ文学の起源における差異と反復の問題を浮き彫りにしており、ポストモダン批評の切れ味が示されているように思います。

    ポーの創作活動は雑誌への投稿というかたちでなされていました。このことは、商業的な理由からそれぞれの雑誌が採用しているジャンルの枠組みを顕在化するという振る舞いだということができます。著者はこれを、文学の創作における一つの転倒としてとらえ、「マガジズム」ということばで言い表します。そのうえで、ポーの作品において「マガジズム」がジャンルの構築と脱構築の両義的な性格を解明しています。

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著者プロフィール

1955年東京生まれ。上智大学卒業。コーネル大学大学院博士課程修了(Ph.D., 1987年)。現在、慶應義塾大学文学部名誉教授/慶應義塾ニューヨーク学院長。アメリカ文学思想史・批評理論専攻。日本英文学会監事、アメリカ学会理事、日本アメリカ文学会第16代会長を歴任。2009年より北米学術誌The Journal of Transnational American Studies編集委員。代表的著書に『サイバーパンク・アメリカ』(勁草書房、1988年度日米友好基金アメリカ研究図書賞)、『ニュー・アメリカニズム』(青土社、1995年度福沢賞;増補新版2005年)、『アメリカン・ソドム』(研究社、2001年)、『リンカーンの世紀』(青土社、2002年、増補新版2013年)、『モダニズムの惑星』(岩波書店、2013年)、『メタファーはなぜ殺される――現在批評講義』(松柏社、2000年)、『「2001年宇宙の旅」講義』(平凡社、2001年)、『盗まれた廃墟――ポール・ド・マンのアメリカ』(彩流社、2016年)、『パラノイドの帝国』(大修館書店、2018年)、『慶應義塾とアメリカ』(小鳥遊書房、2022年)、Full Metal Apache: Transactions between Cyberpunk Japan and Avant-Pop America (Durham: DukeUP, 2006, The 2010 IAFA[ International Association for the Fantastic in the Arts]Distinguished Scholarship Award)ほか多数。代表的論文に「作品主権をめぐる暴力――The Narrative of Arthur Gordon Pym 小論」『英文學研究』第61巻第2号(1984年12月、第7回日本英文学会新人賞)、“Literary History on the Road: Transatlantic Crossings and Transpacific Crossovers”(PMLA[January 2004])など多数。編訳書にダナ・ハラウェイ他『サイボーグ・フェミニズム』(トレヴィル、1991年/北星堂書店、2007年、第2回日本翻訳大賞思想部門賞)、ラリイ・マキャフリイ『アヴァン・ポップ』(筑摩書房、1995年)、編著に『現代作家ガイド3 ウィリアム・ギブスン』(彩流社、1997年/増補新版2015年)、『反知性の帝国』(南雲堂、2008年)、共編著に『事典 現代のアメリカ』(大修館書店、2004年)、The Routledge Companion to Transnational American Studies(2019年)など多数。
巽ゼミ三田会公式ウェブサイト:http://www.tatsumizemi.com/
Keio Academy of New York Website: https://www.keio.edu

「巽」は、部首が「己」ではなく「巳」の旧字体の「?」

「2025年 『映画で読み解く現代アメリカ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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