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Amazon.co.jp ・本 (186ページ) / ISBN・EAN: 9784000042420
みんなの感想まとめ
多様なテーマに基づいて『万葉集』の歌を紹介し、鑑賞の手引きを行うこの本は、古代の歌の魅力をわかりやすく伝えています。特に東歌に関しては、東国の方言が音として記録されている点に注目し、都との文化的な違い...
感想・レビュー・書評
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『万葉集』のなかから、「旅の歌」「東歌」「挽歌」「女歌」というテーマにもとづいて、歌を紹介しその鑑賞の手引きをおこなっている本です。
とくに東歌については二章が割りあてられており、東国の方言が音として記録されていることに注意をうながしています。ただし著者は、そこから『万葉集』の多元的な性格を指摘するといった、ある意味でわかりやすい結論をみちびくことはしていません。むしろ、都と東国の文化的な差異の存在を認めつつ、「歌」という共通の基盤が成立していたことに目を向けています。
また「女歌」にかんしても、これと同様の関心がうかがわれるように思います。著者は、初期万葉の贈答歌のうちに、ジェンダーの意味での性差を認めることができないことが、古代の歌垣のなごりを示していると指摘します。それに対して、大伴坂上郎女以降の「女歌」には、歌を通して自己を対象とする内省の機能が働くようになり、「わが心」のありようが表現されるようになります。著者はここに、古代の歌を越え出て、文学としての歌が成立する機縁を見ようとしています。
著者の講演内容の記録をもとにした本なので、わかりやすいことばが用いられているのですが、『万葉集』を解釈する著者自身の立場が周到に論じられているわけではないので、隔靴掻痒の感があります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
万葉集の魅力がわかりやすい上品な言葉で語られている。
東歌と都の歌の差異・共通点の所も面白かったし、挽歌の種類や変遷も興味深かった。
佐々木氏が支持する解釈の理由を、もう少し突っ込んで知りたいと思った部分もあった。
歌垣が、男女の通婚圏の拡大の場であった、ということも面白い。
また、相聞歌がベースになり形を変え、時には挽歌になり、時には非恋愛の親愛の思いを代弁する、という気持ちの置き換えのようなものも、面白かった。
万葉集の豊かさの一端を垣間見れた。
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