ガリヴァー旅行記を読む (岩波セミナーブックス 79)

著者 : 富山太佳夫

• 岩波書店 (2000年3月21日発売)

作品紹介・あらすじ

衛生観念、エロティシズム、優生思想、女性嫌愛、そしてイギリス帝国主義批判…。宗教戦争とイングランドの支配に揺れ動いた18世紀アイルランドのなかに浮かび上がる、等身大のスウィフト像。当時の図版も多数収録。

感想・レビュー・書評

[kikuさんの感想 · 2011年7月13日]

文章のうまさ、読み手の受け取りかたの多様性、奥の深さからして名作であるこては間違えないのだけれども、風刺作品の研究は、数百年前の文化との差があるため難しいと言うことを痛感しました。

[shokuzaisettoさんの感想 · 2019年6月1日]

同時代の社会風俗や政治状況と突き合わせつつ、『ガリヴァー旅行記』の風刺を読み解く試み。市民講座を活字にしただけあって、読みやすい。漱石や中野好夫も強調してきたスウィフトの「狂気」という通念に、否定的な見解を実証的に示している点が特徴。