- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000042529
感想・レビュー・書評
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新日本古典文学大系25『枕草子』(岩波書店)の校注者でもある渡辺実先生が、市民セミナーで語られた『枕草子』講義録をもとに書かれた評論であり副読本でもある。
『枕草子』の概要を語りながら同時代に書かれた古典作品にも比較言及し、文学史的な位置付けが明らかにされてゆく。現代語訳『枕草子』を簡単に読んだだけでは伺い知ることができない、清少納言と『枕草子』の世界を味わうことができる。
作品を読み、それを書いた人に興味を持つというのは一つの楽しみだが、この作品は渡辺実先生の観察眼と分析力が光っていて、古典の楽しみ方を教わるだけでなく、研究の方法とか手順の一端を垣間見ることができる。そして、市民セミナーでの講義形式で書かれた文章が読みやすく、約200ページという分量もストレスなく読むのに適量だった。
高校の古典教育は言うまでもなく、大学の古典文学の講義にだって覚えるだけってものが多くて古典嫌いを増やしているのだが、こういった読み方や学び方を知れば古典アレルギーも解消できるはず。
出版社/著者からの内容紹介
王朝文学で,自然はどのように描かれていたのか.『枕草子』の人々がよく笑うのはなぜか.そして,清少納言らしい文体とは?――おなじみの平安随筆のことばと表現に即しながら,その魅力を新しくとらえなおす.詳細をみるコメント0件をすべて表示
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著者プロフィール
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