孫文と袁世凱 中華統合の夢

  • 岩波書店 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784000043960

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  •  孫文の賢人政治、愚民観と漢族中心観は同著者の他の本と同様。加えて本書では、革命側のグダグダ・バラバラぶりと、孫文と袁世凱の類似点が印象的だ。
     興中会・華興会・光復会各派の対立や、計画性のなさ。武昌起義時に革命とは無関係な黎元洪旅団長を担ぎ出してリーダーとしたあたりはコメディか。孫文の評価も、革命的カリスマ性が「比較的」高い、に過ぎない。袁世凱が大総統に就任したのも、孫文から奪ったのではなくなるべくしてなったという感じだ。
     そして、中国の分裂回避のためには民主体制よりも強力な中央政権が必要という点で孫文と袁世凱は共通。この点は本書で何度も語られる。副題「中華統合の夢」がよく理解できる。袁世凱の帝制すら、内実は立憲君主制であり、著者の問題提起のように、革命独裁との違いはいかばかりか。実は紙一重ではないか。
     ほか、袁世凱をはじめ清末以来の軍事改革で台頭した軍人・軍閥の存在感が目立つ。彼らのうち少なくない人間が日本に留学していた。「帝国陸軍は革命の発進地」という著者の言はさすがに言い過ぎかと思うが。

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著者プロフィール

よこやま ひろあき
1944年、山口県下関市生まれ。
一橋大学法学部卒業。朝日新聞記者を経て、
一橋大学大学院法学研究科に進学、法学博士。
明治学院大学法学部、県立長崎シーボルト大学
国際情報学部、北九州市立大学大学院
社会システム研究科で、中華民国史を中心とした
中国政治史を教える。
現在は北九州市立大学名誉教授、
上海同済大学亜洲太平洋研究センター顧問教授。
著書 『中華民国』(中央公論社)、
『陳独秀の時代』(慶應義塾大学出版会)、
『素顔の孫文』(岩波書店)、
『孫文と陳独秀』(平凡社)、
『長崎が出会った近代中国』(海鳥社)、
『長崎 唐人屋敷の謎』(集英社)など多数。

「2017年 『上海の日本人街・虹口 もう一つの長崎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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