宗教クライシス (21世紀問題群ブックス (11))

著者 : 上田紀行
  • 岩波書店 (1995年11月6日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000044318

宗教クライシス (21世紀問題群ブックス (11))の感想・レビュー・書評

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  • 現代の社会に閉塞感を感じている人びとが、宗教に解放を求める例が増えています。社会システムは個々人の「死」の意味を与えることができないのに対し、宗教は個々人の「死」に意味を与えることで、社会のなかの交換可能な役割に還元されない「本当の私」や「絶対的な私」を求める人びとの期待に応えようとします。ここに、現代において人びとが宗教を求める理由があると著者はいいます。

    しかし、宗教は人びとに「死」の意味を与えることで、社会の外部へと通路を「開く」と同時に、特定のコスモロジーに人びとを囲い込むような「閉じる」役割を果たしていると著者は指摘しています。宗教心理学の研究は、深い宗教体験のなかで感得される、いわくいいがたい「絶対的な私」の感覚が、あらかじめ定められている神話や教団の教義によって具象的なイメージへと統合されることを示しています。このことは、コスモロジーを共有する人びとの一体感を強めると同時に、特定のコスモロジーを絶対的なものとみなすような傾向を助長する危険性をともなっているのです。

    現代の宗教が直面しているのは、こうした宗教的なコスモロジーに内在するイデオロギーへの盲信を乗り越えて宗教多元主義を実現することだと著者はいいます。さらに、ただ一つの回答を与えるものから、探求し尽くすことのできない世界の奥深さを開示するものへと転換することで、社会システムからの解放と宗教多元主義を両立させるような新しい時代における宗教の可能性を見ようとしています。

  • 宗教に傾倒していく若者の心理を説明する過程として、現代社会における非日常の喪失と人間性の埋没が引き起こす問題について述べている。

    文章が読みやすく。、まるで筆者目の前にいて解説しているかのような感じ。ついつい引き込まれてしまう。

    宗教体験に用いられるドラッグによる「変容した意識」っていう学説が面白かった。思い込みの力ってやつ。プラセボ効果。たしかに、マリファナよりずっとずっとカフェインのほうが依存あるんだよね。

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