「権利のための闘争」を読む (岩波セミナーブックス 4)

  • 11人登録
  • 3.50評価
    • (0)
    • (2)
    • (2)
    • (0)
    • (0)
  • 5レビュー
著者 : 村上淳一
  • 岩波書店 (1983年11月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000048743

「権利のための闘争」を読む (岩波セミナーブックス 4)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • ドイツを中心とした西欧の近代法学の流れや思想がわかりやすく入ってきた、が『権利のための闘争』を読むぞ!という気にはあまりならない。イェーリングは大変に人間臭い人なのだろうなと思わされた。全体的にとても面白かったのだけど、あまりに西洋と東洋あるいは日本を比較しすぎている感が、著者も触れてはいるが、多きに過ぎるような印象を持った。

  • 古典の解説書には二種類あって、古典の内容を分かりやすく噛み砕いて説明したものと、高度に専門的な分析を加えて解説したものとに分けられる。本書の場合は明らかに後者であって、セミナーブックスの一冊としてはかなりマニアックな内容となっている。

    著者は、『権利のための闘争』は「あまりこだわらずにすらっと読めばやさしい本かもしれませんが、一旦こだわりだすと非常にむずかしい本です」(p.209)と述べている。では著者は何にこだわっているのかと言うと、ヨーロッパ法制史あるいは法学史の中にイェーリングを位置づけるという作業にこだわっているのである。そのことによってイェーリングの正統性と異端性とを浮き彫りにしていく。

    ヨーロッパ法制史について素養のない私にとっては本書の内容を十分咀嚼し得たとは到底思えないけれども、古典を読むことの奥深さと難しさとを同時に思い知らされた一冊。

  • 「権利のための闘争」を読むと題された本であるが、しかしその内容を精読するという内容ではない。むしろ、イェーリングの叙述に見られる法学的思考や社会・国家観を、場合によってはローマ法にまで遡りながら、丹念に解明している。もちろん、著者の基本的視座は『近代法の形成』や『ドイツ市民法史』に見られるものと同じである。その点で、引用されている史料もかぶるものが多い。しかし、そうした一般的な思想伝統のうちにイェーリングが位置づけられ、彼の思考の特質が詳細に描き出されている。市民講座の単行本化ということで論文調ではなく、ところどころに著者の皮肉などが混じっており、読み物としても面白い。しかし、その内容に加えて、専門的な法学史を追跡できる良著である。

  • イェーリングが理論家ではなく啓蒙家ということがわかる。村上淳一らしいクールな分析が展開される。

全5件中 1 - 5件を表示

「権利のための闘争」を読む (岩波セミナーブックス 4)のその他の作品

村上淳一の作品

「権利のための闘争」を読む (岩波セミナーブックス 4)はこんな本です

「権利のための闘争」を読む (岩波セミナーブックス 4)を本棚に登録しているひと

ツイートする