- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000053631
作品紹介・あらすじ
現代を代表する大物理学者が、奇想天外な話題に満ちた自らの体験を痛快に語る。何でもとことん追求する態度といたずら好きの性格は、周囲に混乱と感動をひき起こさずにはいない。研究のかたわらで金庫破りの腕をみがいて仲間を驚かせたり、女の子とうまくつきあうことに腐心する一方で、夢に興味をもてば自分を実験台に研究開始。陽気なアメリカ人の愉快な一面と、科学への真摯な情熱を伝える好読物。
感想・レビュー・書評
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国家は君を必要とせず!のところ、涙が出るほど笑った。読み返しても同じくらい笑えた。笑
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とにかく面白い!天才にもいろいろいるけど、彼ほど凡人にわかりやすい言葉を使える物理学者もいないんじゃないの?これを読めばディック・ファインマンのファンになること請け合いです。
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ファインマン物理学の著者としてお馴染みのファインマンさん。ユーモア溢れる語り口で書かれたエピソードが集録されている。彼の好奇心と非凡な発想により、幼少期や大学院時代の日常が、読者の想像を超える話題に発展する。読み進めるうちに、ファインマンさんの表情、情景がはっきりと思い浮かび、あなたは作中に引きずり込まれることになるだろう。研究に対するやる気も湧いてくるはずだ。
(エネルギーコース M1) -
金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18350
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN00231075 -
物理学者ファインマンの自伝。
想像と全く違う破天荒なエピソードの連続。
決して崇高な物理学者ではなかった!
自伝ということで、これだけ自分を俯瞰して面白く描けるところにもファインマンの類まれな才能を感じる。
途中、あまり面白みのないエピソードが続き挫折しそうになったけど、また後半面白くなってきたので最後まで読んでよかった。
マンハッタン計画のあたりの話は知っていることとリンクして想像して苦しくなってしまいそうだったので、少し心の距離をとってさっと読んだ。
ファインマンほどの物理学者でも華やかな経歴ばかりではなく、組織の中で生きる人間らしい側面も見れたのがよかった。
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ノーベル賞受賞の物理学者,マンハッタン計画に携わったリチャードファインマンの自伝的な本.
エドワード・O・ソープの自伝と似たようなものを感じる.天才理系研究者
ソープのそれよりも読みやすい.ファインマンのお茶目さというかユーモアが所々に滲み出る.
ソープにも通じる彼の素晴らしいところは好奇心の高さ,自分で手や頭を動かして成果につなげてしまう執念,能力,試行錯誤そして遊び心ではなかろうか.
金庫破りの話はセキュリティ屋さんに刺さる話.
「ただ聞くだけ?」の章は少し前で言ういわゆる恋愛工学というやつなんだろう.
ファインマンのいう”世の中には僕が育てられてきた考え方とは違った形で物事が動いていくもんだ”というのは甚だ同感だし,そういうことを知るために本を読んでいるところがある.無論この本もその1冊.下巻も読んでみよう. -
めっぽう面白い科学者の物語。
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1918年生まれ
子ども時代 イヤホンでラジオ 寝落ちし大人が外そうと部屋に入ると大音量ベル
ラジオの周波数 犯罪クラブ→1時間前に他局で放送→自慢げに推理
高校時代 数学定理 旗竿を垂直では3m長い、たるまないように横に5m離すとぴったり sin^2 x + cos ^2 x = 1
雲形定規→各曲線の最低点では接線が水平になる
レストランでいたずら コップに目一杯水を入れ逆さ→ウエイトレスがコップを持ち上げた瞬間に水浸し
プリンストン大学の大学院 初日に院長と茶会
院長夫人「ファインマンさん、お茶にはレモンを入れましょうか、それともクリームがよろしいですか?」 「はい、両方いただきます」
大食堂 最初は自分のグループと一緒に食事→外の世界で起こっていることを見るのも面白かろうと思い、よそのグループを回って食事
ネコの地図→動物解体図鑑のこと
「ファインマン君、君はまだ若いんだから、この理論についてゼミをやるといい。みんなの前で話をする経験が必要だ。その間に私は私で量子論の方をやって、あとでゼミをやろう」と言われた。
ファン・ノイマン ヘンリー・ノリス・ラッセル ここまで聞くと顔からすっかり血の気が引いてしまった。
アインシュタイン ここに至っては僕の顔は真っ青になっていたに違いない。
アインシュタインは、すべてが彼の理論通りにならないかもしれないということをよく知っていて、他のアイデアに対してとても寛容だった。
プリンストン大学院の物理学科と数学科とは一つのラウンジを共有していて、毎日4時になるとお茶の時間というものがある。
蟻に世話してもらうアリマキ アリマキの付いている植物が枯れる→蟻が移動させる→お礼にニューデュー(蜜汁・半分消化した汁)
MIT卒業後「僕も祖国のために役立ちたいと思います。僕は技術屋ですから、そういった方面で何か貢献できるのではないかと思っているのですが」
ベル研究所 レーダーの発明
原爆開発実験場 家内のネグリジェとスリッパ→女性がいるかのようないたずら
1を243で割る 0.004115226337…
ロスアラモスで仕事につかされた若者・数字入力→仕事の意味を教える→「僕らは戦争に参加しているんだ!」→自発的に行動・めざましい働き
家内の様態悪化 7年前にプレゼントした時計 デジタル式で9:22→死亡証明書に記載された数字
MITの研究室時代 あるときぬけだしにどうしても祖母が亡くなったという感じがし始めた。そしてそう思った瞬間、電話がかかってきたではないか。…友人あて…結局僕の祖母は死んではいなかった。誰かがこれとは逆の話をしたとき反論できるよう、このときのことはよく覚えておいたのである。人はこういうことが超自然的な力で直感できるなどとよく言うものだが、僕はただの偶然に過ぎないと思う。祖母はもうかなりの年だったから、偶然の一致だって充分あり得たわけだ。
僕は明らかに心理的に自分の感情をコントロールしていたのに違いない。アーリーンの体に生理的にどういうことが起きたのか、という事実の方が僕の頭を占領していたので、そのときは涙も出てこなかった。本当に涙がこぼれたのは、何か月も経ってからのことだ。オークリッジのデパートの前を通って、ふとショーウィンドウの中のドレスを見つけ、ああアーリーンの好きそうな服だなと思った瞬間だった、悲しみの波が一挙に押しよせてきたのは。
〇月〇日赤ん坊出産の予定 実験地点へ直行 20マイル離れた地点で待機・黒メガネ(かけず)
すさまじい閃光から暗黒へとつながる一連のできごと この第1回トリニティ実験を肉眼で見たのはおそらく僕一人だろう。
…完成したという喜びでいっぱいだった。そしてその瞬間、考えることを忘れていたのだ。つまり考えるという機能がまったく停止してしまったのだ。ただ一人、ボブ・ウィルソンだけがこの瞬間にも、まだ考えることをやめなかったのである。
…例えばニューヨークのレストランに腰を下ろした僕は、窓の外のビルを眺め、そして考え始めるのだ。広島に落ちた爆弾の被害範囲は、直径何マイルだったか。ここから三四番街までどれだけの距離があるのか。これだけの建物が皆吹っ飛んだんだというようなことを。また歩いていて、工夫が橋を造っているところや、道路工事の現場を通りかかると、なんて馬鹿な奴らだろう、何もわかっちゃいないんだと思い始めるのだ。ばかばかしい、何であんな新しいものなんか造っているんだろう。どうせ無駄になるものを…。
だが、ありがたいことに無駄になると思ってから、もう40年近くたつ。だから橋などを造るのが無駄だと思った僕は、間違っていた。そしてあのように他の人たちが、どんどん前向きに建設していく分別があってよかったと僕は喜んでいる。
エール錠のようなタンブラー(翻転式)錠を開けるのは、ごく簡単なこと
金庫 メモにπ 271828 πの次に大切な定理
大抵の金庫が工場から来た時コンビは 25 0 25 50- 25-50
後でノーベル賞をもらうもとになったダイアグラムも何もかも、僕がぐらぐらする皿を見て遊び半分にやりはじめた計算がそもそもの発端だった。
コーネル大学時代 バッファーで週一度講義 毎週木曜日の夜バッファーに着くや否らバーに行ってはブラック&ホワイトに水をつけたのを注文する。何週間かこれを続けたら、「いつものを用意しておきました」 -
●物理学を楽しんでやっていたんだなという印象。読み物としても単純に面白かった。