ファインマンさん最後の冒険

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000054041

作品紹介・あらすじ

いつも冗談が現実になってしまうファインマンさん。今度はちょっとした話から、ソ連の辺境にあるチューバという国に行こうということになった。ところがソ連官僚機構の壁は厚く、あれこれ手を尽くしてもなかなか行かせてもらえない。知れば知るほど魅力的な国に、はたしてたどりつけるだろうか。舞台でドラムの演奏をしたり、ヌーディストのキャンプでマッサージ師をしたりという楽しいエピソードも一杯。ファインマンさんの愉快な冒険。

感想・レビュー・書評

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  • 最後の方で泣きそうになった。

    ファインマンすごい。

    固有名が多すぎる。

    一つの事に対する執念深さということを感じる。
    よく言えば、一つのことを成し遂げようとずっと頑張り続けていればいつかは成功する、ということだ。

  • 著者のラルフ・レイトンにファインマンが「タンヌ・チューバはいったいぜんたいどうなっちまったんだ?」と聞くところから話は始まる。そんな所はないと思ったらファインマンが子供の頃切手集めをしており、チューバの切手を持っていた。地図で確かめると確かに有り首都はxyzylで母音が無い、そんな名前の所は絶対面白いに決まっている、さあ行くぞと盛り上がったのが1977年の夏である。
    チューバはモンゴルとソ連の間の独立国であったが1944年にソ連に統合されていた、当時は米ソ冷戦の真っ只中で、外国人はソ連の旅行社が有る所しか行けない、そこを何とかしようと言うゲームが10年がかりで続く。題名とは違い本書の主人公は著者レイトンなのだがそれはファインマンと一緒に楽しもうと言う動機からなのでやはりこれもファインマンシリーズの最後を飾る本としては相応しい。
    touva友の会を作り(実は今でもあり日本語サイトも有る)、調べ、手紙を書き、伝手をたどって徐々にチューバに近づく。問題はどうやってチューバに行く理由を見つけるかだが、スウェーデンでのソ連科学アカデミー主催のシルクロード展を見学しその関係者を巻き込んでアメリカにその展示会を行うことを思いつく。レイトン自身はただの高校教師だが、ファインマンの伝手もあり等々この企画を実現させてしまった。
    チューバまであと一歩というところでなかなか招待状が下りず、78年以降4度のがん手術を経て88年2月15日ファインマンは世を去る、招待状が届いたのはその4日後だった。
    ファインマンは本当にチューバに行きたがったが同様にその過程を楽しんでいたようで、TOUVAと言うナンバーのレイトンの車と一緒に写った写真を現地の新聞社に送ったところ記事になったという事を知らされ喜んでいる。

    因みにチューバにはアジア中心の碑が有り、またフーメイ(モンゴルのホーミーと同じ)と言う特殊な唱法が有り龍馬伝のテーマソングに使われている。そりゃ面白い所なんだろう。

  • KYZYLという母音の無い名前の首都を持つ、冷戦時代のソ連の片隅にあるタンヌ・チューバという国に行こうとするファインマンと著者ラルフ・レイトンの奮戦記。だが、ファインマンはほとんど登場しない。やっとのことで招待状が届いたときには、ファインマンは既に亡くなっていた。ファインマンがすべてのことを面白いこと、楽しいこと、笑うことに変えていったのに対し、レイトン氏は皮肉屋だったことが伺える。訳者も前作と同じなのに少しも面白くなかったのは、著者の力量不足だろう。

  • TUBA友の会にはいろう!

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