史上最大の伝染病牛疫: 根絶までの4000年

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000054652

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    ①紀元前4000年に牛疫はパピルスに記されている
    人類がそれを撲滅できたのは2010年
    ウイルスを撲滅するには1000年単位の時間がかかってきた

    ②1711年牛疫に対してイタリアでとられた摘発淘汰の考え方が今も採用されている(移動制限、消毒など)違反すると庶民の身分だと絞首刑か八つ裂き、聖職者は一生ガレー船の漕ぎ手(奴隷扱い)

    ③口蹄疫は牛疫にくらべ、病原性が低いため不顕性感染が多く、逆に撲滅が困難

    *******
    私のポイント
    近年の科学の発展によりワクチンや薬剤の開発スピードが桁違いに早まっていることは念頭に置く。が、

    ①自分の生存中に特定のウイルスが撲滅されることは、とても稀なことと考えるべき

    ②絞首刑レベルの厳罰を課さないと伝染病は撲滅できるものではない

    ③ウイルスは刻一刻変異する。それに対応する主体は免疫機構。
    感染症対策はその補助。

  • 東京大学農学生命科学図書館の所蔵情報
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2002764214

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著者プロフィール

1931年、神奈川県生まれ。東京大学農学部獣医畜産学科卒業。農学博士。北里研究所所員、国立予防衛生研究所室長、東京大学医科学研究所教授、日本生物科学研究所主任研究員を経て、現在、東京大学名誉教授、日本ウイルス学会名誉会員、ベルギー・リエージュ大学名誉博士。専門はウイルス学。主な著書に『エマージングウイルスの世紀』(河出書房新社、1997)『ウイルスと人間』(岩波書店、2005)『史上最大の伝染病 牛疫 根絶までの四〇〇〇年』(岩波書店、2009)『ウイルスと地球生命』(岩波書店、2012)『近代医学の先駆者――ハンターとジェンナー』(岩波書店、2015)『はしかの脅威と驚異』(岩波書店、2017)『ウイルス・ルネッサンス』(東京化学同人、2017)『ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在』(みすず書房、2018)『ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか』(みすず書房、2020)など、主な訳書にアマンダ・ケイ・マクヴェティ『牛疫――兵器化され、根絶されたウイルス』(みすず書房、2020)などがある。

「2022年 『異種移植 医療は種の境界を超えられるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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