ファインマンさんベストエッセイ

  • 岩波書店
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000059473

作品紹介・あらすじ

稀代の物理学者がまたもや語る!選りすぐりのエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 2014/01/29

  • THE PLEASURE OF FINDING THINGS OUT:
    The Best Short Works of Richard P. Feynman - 0
    http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN4-00-005947-5 ,
    http://www.feynmanonline.com/ ,
    http://www.fotuva.org/feynman/

  • 理学分野の本にあちこち散見する「ファインマンさん」って何者?というのが読んだ動機。
    現実の社会は非科学的で、普段私たちは、「科学」を知らないまま生きている。でも、人類の真の可能性を発達させることができるのは、究極的には科学の方法をおいてほかにない。科学とは何か、社会問題と科学、宗教と科学…、そういった大きな問題に対するファインマンさんの考え方を知ることができる本。内容は難しい部分も多々あるが、大きな視野から、自分の生きる世界を見直すことができると思う。

  • ファインマンは、ノーベル賞を受賞した物理学者で、私も彼の教科書で大学時代勉強をした。まったく、わかっていなかったが。。。

    エッセーであるので、力を抜いて読むことができる。科学とは?と、科学と向き合って生きた人の哲学に触れることができる。
    以下、私が心に残った言葉。彼が、原爆開発に携わったことを、心に引っかかっていると感じられる。

    ・人はみな極楽の門を開く鍵を与えられているが、その同じ鍵は地獄のもんをも開く。

    ・科学的神秘。 科学は直接には善も悪も教えてはくれません。(p154)

    ・偉大な進歩は、己の無知を認めることから生まれ、それが思考の成果であることを悟り、この自由の価値を鼓舞して懐疑は危惧するどころかむしろ歓迎され、おおいに論じられるべきであることを教え、その自由を義務として次の世代に求めていく。

    ・科学; いままで引き継がれてきたことがみな真実だという考えて疑いを抱き、過去の経験を伝えられてきたままの形で鵜呑みにせず、実際の経験を通してまったくはじめから、実際はどうなのかを発見し直す。 専門家の無知を信じること。 実験か経験によって真偽を決するという原則と、それにもとづいて集積され、しかもこの原則と矛盾のない知識の大集成。

    ・人はみな

  • 読書録「ファインマンさんベストエッセイ」5

    著者 リチャード・P・ファインマン
    訳  大貫昌子、江沢洋
    出版 岩波書店

    P294より引用
    “懐疑、すなわち心の中に不確かさをもつということは、科学の
    進歩のために是が非でもなくてはならないものです。”

     ノーベル物理学賞受賞学者による、テレビインタビュー、講演、
    エッセイを集めた一冊。
     心理を探して回る喜びについてから科学と宗教についてまで、
    楽しく面白く鋭い意見が記されています。

     上記の引用は、科学の絶対条件について書かれた項での一文。
    つねにものごとの理解について謙虚であり、この世に100パーセン
    ト確実なものは一切ないという姿勢でいることが大切であると。
    この一冊の中だけでも何度も同様の主張が出てくるので、これが
    何よりも大切な著者の信念なのでしょう。
    科学的懐疑主義の姿勢を持ち、今の状況を盲信せずに、より良く
    生きていけるようにしたいと思います。
     偉大な科学者でありながら、講演の内容が書かれた章を読んで
    いると、面白いおっちゃんみたいです。死してなお長く愛される
    のは、このような雰囲気を持っておられるからだと思います。

    ーーーーー

  • 権威は真実がなんであるかのヒントにはなるかもしれないが、情報源ではない。自分の察が権威ある意見に反する場合、できるだけ権威を無視すべき。結果には私観をまじえてはいけない。無色透明に。ガリレオの精神。
    科学者はどんな事があってもうたがいを残しておかなければならない。
    問いには必ず疑いが必要。
    教育は真実と同時に虚偽も教えられる。解決できる問題なんてそんなに無い。ほとんどの人々は依然として科学的に生きていない。
    恐怖=融通のきかない世界観によって人々が袋小路においこまれた。
    絶対の真理や知識にあまり固執でず、不確かさとの危険な賭けを方が道が開ける。
    科学の価値
    ①人に力を与える
    ②知的喜び←ここ、大事。
    ③疑う自由!

    平和も悪にも善にもなりうる。
    自分たちは何も知らないんだということをあらためて正直に告白すべき。
    試行錯誤のシステムを作るべきー民主主義。
    答えをできるだけ改善して次の世代に渡していくこと。

    <感想>
    久しぶりに数学をがりがりやりたくなった。人間社会のことは問題解決するにはあまりに複雑すぎるし、それに楽しみを覚えられなくなったら逃避する自由さえもあるという不確かさもある。趣味の問題なんだとおもう。天国と地獄を行き来するような人間関係にもまれるよりは確かに無味乾燥な理性的ゲームの中にいるほうが魅力的だ。ただそのゲームを楽しいと思える人が少ないっていうことは教育の問題なんだろうか?それとも科学の魅力発掘不足か?
    相対主義も一種の信条だし、分け方は「不確かさ」の受容という軸を相対主義側で決定してしまっている訳なので、やはり相対的な相対主義というのはなかなか実現がむずかしい。ただ、人類全体として、穏やかに科学的方向に導かれている事は確かだと思う。「科学外」のひとからは科学も一種の絶対主義に見られてしまっているという自己矛盾をむくみつつ、他の宗教に対してももそうやって偏見が量産されているのかもしれない。

    お父さんが自分の疑問を解決するために息子を大学に送り込んだというエピソードは面白かった。私も子供ができたらそうしたいw

  • 科学に携わる者として、この人ほど好奇心旺盛で謙虚な人はいないだろう。
    私の尊敬するひとのひとりである。

  • 先に読んだ「一粒の柿の種」でも多く引用されていたこの本。そうとは知らず偶然にも同時に借りたのですが・・・。以前から「ご冗談でしょうファインマンさん」「困りますファインマンさん」などのタイトルが気になっていたので、ベストエッセイと言う事でこれを読んでみた。すごいなファインマンさん。この中で、コンピュータの未来像を語っているエッセイがあって、今、実用されているものと同じ構造なのかどうかは理解できなかったんだけど(専門的すぎて)、アイディアというか、こうなって欲しいというビジョンはもう1985年にはあったんだな、というのが、驚きで。これまでの科学にとれわれない自由な発想と、それを実現するだけの知力、技術力、考え続ける力というのは・・・きっと楽しいだろうなあ。万人がこれだけの力を持つことは到底難しいだろうけど、その楽しさの一端くらいは知っておきたい。そして、科学は万能ではない、そこは目指さないということも肝に銘じておきたい。科学は「こうである」という事実は追及するけれども、「こうすべき」ということは志向しない。その辺を混同すると科学への不信感がつのるわけで、開発された結果をいかに上手く利用するかは人間の科学以外の部分。このエッセイで原爆開発にかかわったことが書かれていて、一見煙に巻かれたように思ったのだけれど、きっと彼が開発しなければ他の誰かがやったんだろう。それがその時の志向だったのだから。ファインマンさんはそう言っていると思う。科学的な思考=分析したり、今明らかになっていることは本当に正しいのかと、懐疑をもって物事を見る力と、人間にとってそれは必要かと考えるちからを同じように培わないと。多分いまは、感情に訴えて「人間にとってそれは必要か」を考えることが習い性になっている。感情をおきざりにしていいとは思わないけど、客観的事実からきちんと組み立てないと、感情や気分は変わるから。とか、エッセイを読んで今の日本の状況を憂いてみたり、もしました。

  • ファインマンさんの人柄、考え方がにじみ出ているいくつものエピソードを集めた本になっている。一生を通じて、科学をとことん楽しんだファインマンさんの人生の一部を本で楽しめることができるのでおすすめ。まだまだ他のファインマンさん関連の本を読破していきたい。

  • 著者は1961年ノーベル物理学賞を受賞している。
    彼が行った講演やインタビューを集めた本。
    特にワンツースリーが面白かった。

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