工学の歴史と技術の倫理

  • 岩波書店 (2006年6月15日発売)
3.40
  • (1)
  • (2)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 29
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784000063104

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 技術と工学の関係
    - 日本社会において、技術は「工学」として扱われることが多く、大学の学部名や学科名にも「工学」が広く用いられている。
    - 技術と科学の区別が曖昧になりつつあり、特に工学部では技術が学問化されている。

    技術の特殊な形態
    - 技術は「わざ」と「知識」が密接に関連しており、単なる手作業ではなく、知識に基づいた行動である。
    - 人間の行動は脳によって処理されるため、技術は知識なしには存在し得ない。

    知識と技術の関係
    - 技術の発展には、単なる動作や反射に頼るのではなく、経験に基づいた知識の蓄積が必要である。
    - 他の動物と比較した場合、人間の技術は理論的な知識に基づいている。

    近代技術の概念
    - 近代技術は18世紀から19世紀にかけて、特に産業革命によって急速に発展した。
    - 技術と工学の間には明確な使い分けがあり、工学は技術の応用に特化した分野とされる。

    工学教育の発展
    - ヨーロッパでは工学教育が制度化され、特にフランスのエコール・ポリテクニークが先駆的な役割を果たした。
    - ドイツ語圏でも類似の技術学校が設立され、技術教育が普及していった。

    日本における技術教育
    - 日本では明治維新以降、工部学校が設立され、工学教育が始まった。
    - 初期の工学教育は欧米の影響を受けており、特にイギリスからの技術者が多く来日した。

    技術と倫理
    - 科学と社会の関係が重視され、科学者は研究成果が社会に与える影響に気を配る必要がある。
    - 現代においても、科学者は社会的責任を自覚し、倫理に基づいた行動が求められる。

  • 日本の幕末から明治にかけての工学(というか工部大学校というか)の歴史に興味があって手に取った一冊。ヨーロッパやアメリカの工学と並列して読めるため、各国の違いが見えてくるのが面白い。クライアントの有(技術)無(科学)で分けるという視点がなかったので勉強になりました。あと、科学・技術リテラシーについては「わかる」としか思えなかったので、新しい技術等が出てきた際に把握できるようには努力しなくてはいけないなと改めて感じた次第であった。

  • 502/169
    新宿2階

    ※詳細はOPACを検索してください。詳細検索画面でISBNでの検索も可能です。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1936年東京生まれ。科学史家、科学哲学者。東京大学教養学部卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学教養学部教授、同先端科学技術研究センター長、国際基督教大学教養学部教授、東洋英和女学院大学学長などを歴任。東京大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授。『ペスト大流行』『コロナ後の世界を生きる』(ともに岩波新書)、『科学の現代を問う』(講談社現代新書)、『あらためて教養とは』(新潮文庫)、『人間にとって科学とは何か』(新潮選書)、『死ねない時代の哲学』(文春新書)など著書多数。

「2022年 『「専門家」とは誰か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村上陽一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×