心をつくる 脳が生みだす心の世界

  • 岩波書店 (2009年5月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784000063128

みんなの感想まとめ

私たちの「心」と脳の関係を探求する本書は、認知神経科学の視点を取り入れながら、日常経験の背後にあるメカニズムを解明しています。著者は、視覚や運動感覚、学習、情報処理、他者理解、コミュニケーションといっ...

感想・レビュー・書評

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  • 私たちが日常体験している「こころ」は、身体において「心の座」とされる脳とどのような関係にあるのか。最近注目されている認知神経科学を用いて一般にも分かりやすいように書かれたのが本書です。著者であるFrith, C.の論文は、私も修士論文の研究でいくつか読んでいたので、著書を日本語で読めることになんともいえない嬉しさを感じています。
    1章から3章では視覚や固有感覚、運動感覚を中心とした知覚を、4章では学習という側面を、5章では情報処理という側面を、6章では他者理解という現象を、そして7章ではコミュニケーションを、それぞれテーマとしていますが、本書を通して一貫しているのは次のような主張です。すなわち私たちが体験する「世界」や「他者」は、脳がさまざまな過程を経て作りあげた「外界に関するモデル」にすぎない、ということです。脳は外界のモデルを作ってそれを元に世界を予測し、かつそのプロセスを当の本人には完全に知れないようにすることで、感覚や運動に注意をとられることなく活動し、他者を理解し、さらに他者とコミュニケーションすることを可能にしているというのです。
    しかしこの仮説にはある重要な点の検証が抜け落ちています。つまりこの仮説では、人が日常のなかで感じる「自己」あるいは「意識」がどのように生まれているのかという問題を説明できないのです。それでは、脳が「私」に悟られないように外界のモデルを作り上げているとすれば、「私」という意識は一体どこに由来しているのか。著者自身もこの問題を自覚していますが、しかしその上で「本書は意識について書いた本ではない」と述べるにとどめています。それは、現時点ではこの先に認知神経科学が踏み込めないという自覚なのでしょう。
    本書を読んでいると、いまや脳科学すら「意識とは何か」という問題に直面している、と思えてしまいます。心の存在ははおそらく脳という物質に依存している、しかし本当にそれだけだろうか? 著者のいう「ハードな科学」は、いずれ哲学などの人文学と協調しなければならない運命にあるのかもしれません。大堀壽夫訳。

    (2009年6月入手・2010年4月読了)

  • 【熊本大学】ペンネーム:やっちゃん

  • 脳の不思議、いい加減さがわかる
    心と脳
    関係をわかりやすく書いている

  • 内部モデルの乱れとしての精神疾患を扱った前作から少し進んで、モデルと外界の作用が「心」であるという一元論の立場を明らかにした内容。翻訳は「神経衝撃」などのちょっと違和感を覚える訳語や支持(指示)のような変換ミスが目立つ。・知覚は脳が作り上げた幻想である。ほとんどは正しいが、幻覚や錯覚という形でその破綻が明らかになることもあるし、そもそも眼球運動による視界の変化のように脳がとらえる世界は不安定で、モデルを持ち、予測することなしには日常生活が営めない。・行動の多くは自動化されており、その感覚は抑制されており、通常の知覚にはのぼらない・DAは単純な報酬ではなく、連合学習によって報酬を最大化しようとする。予期していなかったようなキューに対応して報酬が得られたような場合に放出を増し、キューの評価を強める。(モデルを修正する)・我々の心的プロセスとは、目的を志向した内部のモデルとその修正であり、原因と結果の因果関係の間に動作主体として立つことで、意志を感じる■あるものを知覚するとき、それは実は脳の内部から始まっているのだ。そのプロセスの始点となるのは先行する信念、すなわち空間内に一定の位置を占めた対象が収まっている世界モデルである。脳はこのモデルを使って自分の目や耳が受け取っている信号が何なのか予測する。こうした予測は実際の信号と比較される。そのさいには当然エラーが出る。脳なこうしたエラーを喜んで受け入れる。エラーは脳に知覚の仕方を教える。

  • 半分くらいでストップ
    ・事実としては興味深い内容も多いが、如何せん文章がつまらん

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著者プロフィール

慶應義塾大学環境情報学部教授。
専門分野:言語学(意味論、機能的類型論、談話分析)。

「2023年 『言語文化とコミュニケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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