DNA人類進化学 (岩波科学ライブラリー (52))

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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000065528

感想・レビュー・書評

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  • DNA人類進化学 宝来聰  岩波科学ライブラリー

    おもしろい本である。
    なにか違った視点が与えられる。
    ヒトは、どのようにして誕生したのであろうか?
    ヒトと他の類人猿との関係、現代人の起源とは、
    日本人は、いつ頃から、どのようにやってきたのであろうか?

    ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)

    ヒトの身体 およそ60兆個の細胞から構成されている。
    DNAには、受精して発生する過程からに地上生きていく
    過程で必要な、ほとんど全て
    の遺伝情報が盛り込まれている。
    進化の歴史が刻まれている分子化石と
    見ることもできる。
    地球上の全ての生物が35億年にわたる進化の産物である。

    ミトコンドリアDNA
    (1)ミトコンドリアDNAは核DNAに比べて
    塩基置換のおこる速度が、
    5倍から10倍速いことが上げられる。

    ミトコンドリアDNAの塩基配列を人と
    チンパンジーで比較すると、
    約9%ほど異なっていることが知られている。
    ところが核DNAにおいては、わずか1%しか相違がない。

    (2)母性遺伝。ミトコンドリアDNAは、
    母親のものだけが子供に伝わり、
    父親のミトコンドリアDNAは次世代はまったく関与しない。
    受精の際にミトコンドリアをもった精子は
    タマゴの中にはいるが、細胞分裂の始まる初期の段階で、
    父親由来のミトコンドリアが
    特異的に除去される機構が存在する。

    (3)ミトコンドリアDNAの数が多い。
    ミトコンドリア1個にミトコンドリアDNAが5,6個ある。
    細胞あたりでは、1000個以上も存在することになる。
    組織から大量に収集することができる。

    塩基多様度 0.26%
    この数値が大きいほど集団としての起源が
    古いことになり、値が小さいほど
    新しい集団で近縁的な集まりということになる。

    ミトコンドリアDNAの塩基置換速度(進化速度)は、
    近縁な霊長類の塩基配列の比較などから、
    100万年あたり少なくとも1%と推定されている。

    タンパク質の遺伝子頻度のデ-タから
    アフリカ人   
    日本人     約12万年前。
    ヨ-ロッパ人  約5万5千年前。

    北海道のアイヌや沖縄の人々は、
    日本列島の先住民である縄文人の系統につながると指摘されていた。
    三島                沖縄
    グループⅠ 18% 縄文系? 古い分岐年代 5%
    グループⅡ 82% 弥生系? 95%

    北米インディアン 日本人の一部と共通のルーツ

    浦和1号 縄文時代前期 
    5900年前 グループⅡに含まれる。

    縄文時代 12000年前から2300年前まで

    形質人類学 縄文人とアイヌ人の近縁性が指摘されている。

    オランウータン 分岐年代 1300万年前
    ゴリラ     分岐年代  656±26万年前
    ヒト      分岐年代  478±23万年前

    ラミダス猿人 440万年前 
    東アフリカ エチオピア アラミス遺跡 
    →1994年9月発表

    アファール猿人 アウストラロピテクス・アファレンス 
    猿人 直系の化石
    400万年から300万年 脳容量 400CC

    ホモ・ハビリス 約230万年前 脳容量 600から700CC
    原人 ホモ・エレクタス 約160万年前 最初の脱アフリカ
    1996年サイエンスに発表 
    ホモエレクタスと考えられているジャワ島のソロ人の年代が、
    2万7000年前から5万3000年前と値がでた。
    ホモサピエンスと共存していた可能性がある。
    ネアンデルタール人は、ホモエレクタスの末裔といわれている。
    →ホモ・サピエンス・ネアンデルタールシス

    「ホモ・エレクトゥスは30万~20万年前に
    ホモ・サピエンスに進化した。」
    エンカルタより、

    現生人類は、今はホモ・サピエンス・サピエンスと分類される。
    研究者の間では、最初に出現したホモ・サピエンスが
    そのまま現生人類に進化したかどうかで意見がわかれている。

    とくにネアンデルタール人を
    ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシスと
    分類するかどうかの是非が問題になっている。

    ネアンデルタール人は10万年前から4万年ないし3万5000年前に
    かけてヨーロッパや中東の各地にすんでいた人々である。

    その名は、最初の頭蓋化石が発見された
    ドイツのネアンデル谷に由来している。
    そして、ネアンデルタール人のほかにも
    初期ホモ・サピエンスとされる人骨が、
    旧大陸の各地で発見されるようになってきた。

    ネアンデルタール人をめぐる議論の中には、
    現代の民族や人種の起源にかかわる問題もある。
    人種という言葉は厳密には定義できないが、
    さまざまな形質的特徴からみて、
    人間の集団にははっきりとした違いがあることも
    事実である。

    これらの違いは、地域ごとの環境条件への適応の結果であり、
    100万年前からはじまったホモ・エレクトゥスの
    ユーラシア大陸への拡散によって生じたと考える研究者もいる。
    その立場によれば、ヒトはホモ・エレクトゥス以来の
    一連の進化の過程で発展し、長い時間の中で、
    それぞれの場所で変化していった。
    ネアンデルタール人もほかの初期ホモ・サピエンスも
    ホモ・エレクトゥスの子孫であり、
    現生人類の祖先ということになる。

    ホモ・サピエンス・サピエンス(新人)

    現代人の起源
    アフリカ単一起源説
    アフリカ 分岐年代 20万年前
    「イブ仮説」 アランウイルソン
    多地域並行進化説

    オーストラリア原住民は、ジャワ原人から進化
    日本人、中国人は、北京原人の子孫。

    現代人の共通祖先の分岐年代は、14万年。

  • 勉強になりました。

  • 1997年段階での、ミトコンドリアDNAの研究の内容。
    およそ17年ぐらい前の段階での研究ではあるが、現在の技術が進化した状況ではどれくらいここから進んでいるのだろう?

  • ミトコンドリアをもちいて人類進化に取り組んできた、著者の研究の歴史と成果。

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