ささやく恋人、りきむレポーター 口の中の文化 (もっと知りたい! 日本語(第II期))

著者 : 定延利之
  • 岩波書店 (2005年7月16日発売)
3.55
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000068369

ささやく恋人、りきむレポーター 口の中の文化 (もっと知りたい! 日本語(第II期))の感想・レビュー・書評

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  •  文字にならないような声の使い方、意識せずに使いこなしている言葉のルールが、どれほどコミュニケーションに重要なのかを明らかにするユニークな本。どもる、さーとかうーとか言いよどむ、りきんで言う、イントネーションを変化させる、空気をすする音をさせるなど、ふだん無意識にやっていることの底流にどんな法則があるのか、どんな感情を込めているがためにそうなるのか、をていねいに追っている。そこから何が見えるのか……そう「日本語」だったり「日本人」が、浮き上がって見えちゃうのですよ。

     たとえば「おまえは、ど、どくろ仮面!」というときの「どもり」方には、日本人・日本語ならではの法則がある。(この不自然さについては安野モヨコ『監督不行届』もネタにしてたなぁ) 「にょ」とか「だよもん」(ちょっとヲタク変換かけました)とかの「キャラ助詞」が“ついてOK”かどうかにも隠された法則がある。「あ・と・で」とか「ひ・み・つ」とかを「愛情込めて言っちゃおう」ってときにも法則がある。気持ちが音声と結びつくときに、ある法則が生まれるデショ。そう、それを「文法」って言うんだよ~という、著者のもだえが楽しーい。黒板から文法を解き放とう、具体的な会話から「文法」をすくいとろうという、著者の意欲がつたわってくる。

     この本が実際なんの役に立つかというと、まぁ役立たずだよなぁ。でも、そこにもここにも「ほーらこんなにおもしろいんだよ」という著者の発見があふれていて、読んでたのしい気分になれるよ。タイトルも秀逸だね。語呂もいいし、うまくて、軽い。
     つい「役立たず」なんて書いてしまったけれど。この分野、もっともっと研究がすすめば「ボケ老人の言葉に反応して自然にしゃべるロボット」なんてものができるかも。身近なところに奥深い鉱脈が隠れていることに、この本を読んで気づかされたよ。「学問」のおもしろさを知る人には、ぜひ。

  • 定延 利之 2005 ささやく恋人、りきむレポーター 口の中の文化 岩波書店 私たちはどのように話しているのか。どんな時に「空気をすする」のか。「ひ・み・つ」は、どのようなアクセントになっているのか。ことばを音声面から楽しく観察した一冊。専門書ではないが、ことばを研究することの楽しさが分かる。(2010:黒崎先生推薦)

  • 岩波のこのシリーズは好きで何冊か読んだ。この本は、近々定延氏の集中講義を聴きにいく予定なので、その予習の意味もあって読んでみた。
    フィラーについては今まで全然勉強したことがなかったけど、分かりやすかったし面白かった。アクセントやイントネーションの問題も織り交ぜながら考察されていたので、きちんとした文法体系の中に位置づけられそうでわくわくした。

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