双曲幾何 (現代数学への入門)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000068826

作品紹介・あらすじ

双曲幾何とは、平行線の公理を否定して作られた非ユークリッド幾何学のことである。より一般的なリーマン幾何学の重要な例の一つであるが、それだけにとどまらない。群と作用(リー群)、複素関数論とリーマン面、基本群(離散群)など、双曲幾何に関わる数学は多く、本書ではそういった関わりの一端を示す。

感想・レビュー・書評

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  • 双曲幾何学のよくまとまった入門書であり,ユークリッド幾何からリーマン幾何のつなぎとして触れておくのも手だろう。

  • 今年(2013年)の6月に岩波書店から復刊されるそうです。
    家にある双曲幾何の本の中で一番最後に読もうと思っていましたが、『電磁場とベクトル解析』、『解析力学と微分形式』に引き続いて読んでみることにしました。

    小林昭七先生の『ユークリッド幾何から現代幾何へ』と異なり、現代幾何のベースとなる話題が豊富に盛り込まれている為、読むのに忍耐を要するように思います。小林先生の本は、出来るだけ難しい概念を難しく感じさせないように「読ませる努力」がされているようでした。

    実際、読んでみると本書は多様体の概念を覗いて、群論など必要な幾何学上で必要な概念についてはしっかりと解説した上でエレガントに議論が進められます。その分、独学ではちょっと面喰うかなとの懸念はありますが、他書で勉強を始めるより負担は少ないのではないか?と思います。

    ネットで調べてみると結構、ゼミの課題図書として取り上げられることも多い本です。電磁場とベクトル解析、解析力学と微分形式を比べるとより発展的な話題が数多く盛り込まれているからでしょう。

    正直第3章が、読んでいて相当しんどい感じです。第4章は離散群の紹介にとどまるので気楽に読み進めてほしいとあるのであと少し気楽に読んでみましたが、理解するには程遠いレベルで終わりました。

    深谷賢治先生の本はあと『シンプレティック幾何』と『ゲージ理論とトポロジー』を購入済ですが、読むには他の本で修行してからの方が良さそうです。

    目次
    第1章 1次分数変換
    §1.1 ガウス平面と1次分数変換
    §1.2 群と作用
    §1.3 1次分数変換の性質
    第2章 上半平面とポアンカレ計量
    §2.1 ポアンカレ計量
    §2.2 幾何学とそのモデル
    §2.3 共形変換・等角写像
    第3章 双曲面モデル
    §2.1 双曲面モデル
    §2.2 3角法
    §2.3 理想境界
    第4章 タイル張り、離散群、ガウス‐ボンネの定理
    §3.1 多角形の面積
    §3.2 平面のタイル張りと離散群
    §3.3 双曲線のタイル張りと離散群

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著者プロフィール

ストーニー・ブルック大学教授

「2019年 『個数を数える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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