現代数学の流れ 1 (現代数学への入門)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000068857

作品紹介・あらすじ

理論の建設現場を垣間見ることで、目に見えない数学の実在性を感じとることが可能になる。本書では、古代ギリシャから現代まで数学がどのように展開したか、無限のものをどう数えるか、高次元空間を幾何学的にどう把握するか、代数幾何学、20世紀後半に起きた古典数学の再発見、という5つの観点から数学の建設現場を眺める。

感想・レビュー・書評

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  • ぐっと深い一般向けの現代数学の概説書。

    グロタンディークのスキーム理論、レフシェッツの代数多様体のトポロジー

    数学の歴史:厳密さを主要に考えず発展する時、厳密さの追求で発展する時にわかれる。現代は新しいブルバキの予感?

    無限は有限の単なる反意語と捉えられるには不十分

    幾何学的直観と式を用いた定式化による確実な基礎の両立が高次元幾何学の困難な唯一の道。直観と厳密な定式化は同時には進まない。天才の直観の翼は定式化の能力をしばしば遥かに超えて舞い上がる。しかし舞い上がった地点を厳密な論理によって補強することなしにはいかなる天才もそれ以上は飛び続けることができない。
    逆に幾何学的直観を忘れれば複雑になっていく一方の論理と計算の、迷路にはまり込んでしまうだけなのである。

    ザリスキー
    局所環
    セール
    グロタン『代数幾何原論』

    具体化と抽象化の揺り戻し。

    ブルバキの抽象化への思い「具体例は一般論の単なる適応例の一つ」という形式主義の無味乾燥な考え方が数学をつまらなくしたという考え方もある。プラトニズムの上に建設されてきた学問なんだし、意味を排せと言われても無理、さらによくわからなくなるし現実との乖離を生む。でもまあ一般論の方が好きだな。。。それが的外れなものじゃなければ。

    めも
    数学の人物史ではない考え方の変遷を述べた本

    M. Kline, Mathematical thought from ancient to modern times, 1972

    F.クライン 19世紀の数学, 1995

    古い文献の英訳の参考文献
    D.E.Smith A source book in mathematics, 1984

    佐藤、数学ビギナーズマニュアル, 1994

    P.Frankl 幾何学の散歩道 1991

    森田、トポロジーの展開
    J. Dieudonne, History of algebraic geometry, 1985

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著者プロフィール

上野 健爾(うえの・けんじ):1945年熊本県生まれ。東京大学理学部数学科卒業。専門は複素多様体論。京都大学名誉教授。法政大学大学院工学研究科教授。日本数学協会会長。著書:『代数幾何入門』、『代数入門』、『円周率が歩んだ道』(以上岩波書店)、『円周率πをめぐって』、『複素数の世界』(以上日本評論社)ほか多数。

「2023年 『数学フィールドワーク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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