人生の短さについて 他2篇 (ワイド版岩波文庫 46)

  • 岩波書店 (1991年6月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (229ページ) / ISBN・EAN: 9784000070461

みんなの感想まとめ

人生の本質や幸福について深く考察するこの作品は、ストア派やアリストテレスの思想を通じて、現代に生きる私たちに重要なメッセージを届けます。特に、人生の短さを認識しながらも、本当に大切なことに集中すること...

感想・レビュー・書評

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  • 幸福な人生とはすなわち健全で忍耐強い心をもち用意周到で何事にも大きく感情を動かさない みたいなことが書いてあるんだけど、ほんとうかなぁという気持ちにはなった 途中で、いろいろ高尚なことを言っているが全部できているとはいっていない みたいなことが書かれてるのなんか人間ぽくてよい

  • 内容について共感できるかどうかは別にして、「怒りについて」が、現代社会からすれば、かなり違うテンションをもった本で刺激を受けたので、いきおいで読んでみた。

    「人生の短さについて」では、人生の時間の短いのではなく、本当に大事なことに集中すれば、十分な時間があると、ある意味、わりと普通なアドバイスかな?自分がそうできるわけではないけど。(笑)

    ストア派というと禁欲的というイメージが強いのだが、ここで解かれていることは、禁欲というより、中庸の徳というアリストテレス的な感覚かな?

    「幸福な人生について」では、富について、否定していなくて、ないよりあったほうがいいんじゃないみたいな感じ。もっとも、それがなくなっても悔やまないけど、みたいなスタンス。

    「怒りについて」を読んだときにも思ったのが、この人は、哲学者というより、著作家、文筆家で、文章の表現の説得性が思想そのものより、大事なのではないかと思った。

    実際、セネカは、政治家で、お金持ちだったようで、ストア派的な劇的な死がなければ、後世に残らない人だったのかもしれない。

    「怒りについて」の解説に、このローマという時代においては、劇場、公共空間で、自分を演出し、それを生き抜くということが、大事であったという趣旨のことが書いてあったが、なるほどであった。

  • エピクロスとセット。
    こちらは、なぜこれが苦手かがよくわかった。

    目標を定め、それに基づいて日々の活動を律する。これは現代の正義かもしれない。
    しかしこのことによって失うものもある。初手から明快な目標なんてない。というか、そんな活動はちっとも面白くない。面白くない世界に自分を閉じ込めてしまう自殺行為にもなりうる。だが実際に、この正義の毒薬を現代の知恵として教えている。この矛盾をいかに解決するか、しばらくはゆっくり考えよう。

  • 人生の短さについて
    七、白髪に皺の寄つてゐても、其の人が長く生きたと考へる理由にはならず。長く生きたのではなく、長く有つたに過ぎず。其の人は長く航海するにあらず、長く翻弄せられたり。
    八、何よりも尊いものである時間が、殆ど無価値のものであるとされてゐる。斯かる大きな感情の矛盾が彼等の心にはある。
    二十、官服を着た人を見ても、大広場で名声を高めてゐる人を見ても、其の時君は羨むべきにあらず。人人は勤務を求むる欲望の方を、暇に堪ふる能力以上に長く持ち続けるなり。

    心の平静について
    四、国民の務めを怠りけむは人間の務めを行ふべし。我我は大きなる心を以て自己を単に一都市の城壁の中に閉ぢ込めず、全宇宙の交はり迄に至らしめ、亦世界を以て我我の祖国と宣言したり。何事によらず、如何なる立派な活動をも受け入るる余地のない程、完全に封鎖的なものはないのである。
    九、制しきれぬ望み、未来に逸る心は鎖で繋ぎ止めておく様にして、運命よりも、自分自身から富を求むべし。過ぎたるは及ばざるが如し。
    十三、多くの事をする者は、屡屡自らを運命の支配下に置かれたり。能ふ限り安全の道は、常に運命について考へ、運命の約束には期待せぬべし。

    幸福な人生について
    一、何よりも大切の事は、羊の群の様に、先を行く群の後に付きて行く様を真似せぬべし。
    二、人間の評価には、我は肉眼を疑ふ。魂の善は魂に見付けさするべし。互ひに夢中になりて見せ合ふ様な代物は、外側丈は立派なれど、内側は貧弱なものである。魂は斯う述ばふれたり。
    八、最高の善は心の調和なり。協調と統一の存する所には、必ずや徳の存するべし。
    九、徳は徳以上の善き物を持つべからざる。徳其の物が徳の価値である。
    十五、従ふよりも、引きしろはれる方を望むとは、何たる阿呆にやあらむ。我我は支配の下に生まれ付きたり。神に従ふ事が、即ち自由なり。
    十八、自分が何のやうに生活して居るかではなくて、自分が何のやうに生活しなければならぬか、である。我が語るのも徳についてであつて、我についてではない。
    二十、有益な研究と云ふ物は、仮令其の成果を見ゆる事あらざりしかど、其れに従事する事が賞賛に値するなり。

  • 人生の短さについて 他二篇 (ワイド版 岩波文庫)

  • 同僚の勧めで手に取りました。
    難しくてわからない部分も多々ありましたが、わからない部分は適度に流しつつ、とりあえず読了。
    衝撃でした。
    これが2000年以上も前の人が書いたものとは思えない。
    ローマ時代のものすごさを感じました。
    もうそのころからすでに、人は、仕事に追われ、早く引退して余暇を過ごしたい、と考えていたのですね…。セネカは、そんな人々に対し、人生は短い、人生を無駄に過ごしていることに気づきなさい、と言っている。
    ローマ時代、毎日毎日豪華な酒宴が開かれ、人々はより多くの食事を楽しむために、食べては吐いてということをしていたそう。なんだか、食のバラエティが飽和状態な現代に通ずるものがあるのでは…。摂食障害を抱える身としては、もう、怖いくらいの衝撃を受けました。
    人間は、2000年たっても変わっていないのね…。
    エンデの「モモ」を読んだ時にも、現代社会にあまりにも鋭く突き刺さる内容に衝撃を受けましたが、この本では、さらに2000年前から…。
    もう、現代人は「モモ」とセネカを読むべし!!と声を大にして言いたい。
    この本に収められているほかの2遍「心の平静について」「幸福な人生について」も、深く考えさせられます。ローマ時代と、ストア哲学にも興味がわいてくる1冊。
    ちなみに、私が読んだのは旧版の茂手木 元蔵氏翻訳のものですが、現在は絶版で、新訳が出ています。後日読み比べてみましたが、新訳のほうがやや読みやすい印象。でも私は旧版の表現が好きです。最初に読んだからでしょうか。どちらも詳細な訳注がついていて、おもしろいです。

  • 昨年暮れに兼利琢也〈かねとし・たくや〉訳(岩波文庫、2008年)を中ほどまで読んだ。セネカの崇高な精神が降りしきる雨のように私を打った。本を閉じて目をつぶった。「襟を正して最初から読み直すべきだ」と思わざるを得なかった。ブッダとクリシュナムルティを除けば、これほど心を揺さぶられたことはない。セネカは生きる姿勢や態度を教えてくれる。

    http://sessendo.blogspot.jp/2014/01/blog-post_8.html

  • 最近読んだ本に、古典を読め!とあったので、その著者が本の中で紹介していた中で気軽に読めるかな、と思って手に取った一冊。時間はあるけれど、無為なことをしているうちに時間は過ぎ去ってしまうことを肝に銘じて、生きていきたいです。

  • 少し難しい

  • 複雑な文章なんだけれど、内容はたいしたことない。

  • 文体が固く読みづらい。言い回しが多く、言いたいことが見えづらい。

  • 2000年以上前から、人間は怠惰と多忙という変わらぬ悩みを抱えていたのだな、と。
    この本のおかげで、ぼくが禁煙、禁酒、禁コーヒーした理由を思い出せた。そういえば全部、有限の人生を少しでも有意義にするためだった。原点に立ち帰らせてくれたという点で、ぼくにとってはとてもありがたかった。
    でも、古典ならではの読みにくさ、頭に入らなさがあり、表題作のみ読了して読む気なくしてしまった。

  •  きっと、セネカ自身が自分の生き方に未練たらたらだったに違いない。

  • とても面白かった。
    幸福や善については全く分からないが、その考え方などに関しては共感出来る点が多かった。


    セネカやマルクス・アウレリウスに代表されるストア派の哲学が誕生したのは起源前300年ごろの古代ギリシアである。

    当時、ギリシアは政治的混迷と文化の変化により不安な時代を送っており、そうした社会状況のなかでも幸福を求めようとしたのがこのストア派と、これに反するエピクロス派なのである。

    こうした背景があるからこそ、現在の経済的政治的な混迷のなかで、私がストア派の哲学を好むようになったのかもしれない。


    この本について
    「幸福な人生について」はまさしくストア派の考えを表すものだ。欲を捨て自然に従って生きることを幸福としており、ストア派のあり方を明確に分かりやすく表現している。

    一方「人生の短さについて」は、自然=理性に従って生きるという点は一緒だが、その方法として、他人に流されず自らの人生を長く生きるべきである と説いている点が独特である。
    不安な時代だからこそ、時代の風潮に流されずひたすら理性による幸福を求めよ という点が非常に興味深く感じられ共感出来た。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4000070460
    ── セネカ/茂手木 元蔵・訳《人生の短さについて 19801117 岩波文庫》
     
    (20100709)

  • セネカのストア哲学とやらは、中国の老荘思想に似ている。
    読みながらその淡白な人生への姿勢、それでいて深く透徹した視線が、人生への不安でごちゃごちゃになったわたしの胸にバターナイフのようにさくっと刺さっていく。

    名言は多く、読んでいるだけで肩の力が抜けていく一冊。
    「魂も体も、運命から借りているだけのもの。少々のことで損なったり、危うくなったからといって、みだりに動じるな」
    「あなたは自分の持ち物の主人であるべきであって、それに振り回されているうちはあなたが下僕なのだ」
    など、いろんな執着からそっと手を放させてくれそうな言葉が並ぶ。

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著者プロフィール

ルキウス・アンナエウス・セネカ(Lucius Annaeus Seneca)。紀元前4年頃(紀元前1年
とも)~紀元65年。古代ローマのストア派の哲学者。父親の大セネカ(マルクス・アンナ
エウス・セネカ)と区別するため、小セネカ(Seneca minor)とも呼ばれる。ローマ帝国の
属州ヒスパニア・バエティカ属州の州都コルドバで生まれ、カリグラ帝時代に財務官とし
て活躍する。一度はコルシカ島に追放されるも、クラウディウス帝時代に復帰を果たし、
のちの皇帝ネロの幼少期の教育係および在位期の政治的補佐を務める。やがて制御を失っ
て自殺を命じられることとなるネロとの関係、また、カリグラ帝の恐怖の治世といった経
験を通じて、数々の悲劇や著作を記した。本書はそのなかでも「死」との向き合い方について説いた8つの作品がもとになっている。

「2020年 『2000年前からローマの哲人は知っていた 死ぬときに後悔しない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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