本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (174ページ) / ISBN・EAN: 9784000070959
みんなの感想まとめ
酒への愛と刹那主義が色濃く表現された詩の数々は、人生の儚さを感じさせつつも、冷笑やニヒリズムに陥らない深い哲学的視点を提供している。著者は詩人であるだけでなく、天文学者や数学者、哲学者でもあり、その多...
感想・レビュー・書評
-
とある場所に旅行に出かけた折に、偶然立ち寄った古本屋で出会った一冊。
歴史書の片隅で名前を見かけていたものの、美麗な表紙と、手に取りページを紐解いたときの感覚を頼りに、購入に至った思い出がある。
『ルバイヤート』は全編を通して、酒への愛や刹那主義、ペシミズムに溢れている。
さりとて全編を貫くのは、ニヒリズムでも冷笑でもない。
「彼は永遠なるものを永遠ならざるものによって求めざるを得なかった。だからして彼の享楽主義は、単なる官能の満足のための享楽ではなくて、ひとたび深刻な否定的精神を潜り抜けた哲学的人間性の立場であり、それ自身大きなペシミズムであったと見られる。」(148頁)
著者のハイヤームは詩人というだけでなく、優れた天文学者であり、数学者であり、哲学者だった。
月並みな言い方ではあるが……
知りすぎてしまったが故の諦観。圧倒的な才覚ゆえの孤独や無理解。
そうしたものが、彼の心に積もっていたのだろうか?
けれども彼は、この世を儚みつつも、この世を冷笑はせず、見下すこともしなかったのではないだろうか?
「《私の墓は一年に二度樹木が花を散らす場所につくられるだろう》」(117頁)
彼は生前、風に花が舞う情景を自らの墓所に望んだ。
そして彼の死後、それが叶ったことを目の当たりにした友人が涙し、神に祈りをささげたという逸話が伝わっている。
ハイヤームが世界に投げかけていた思い。交友関係の示唆。
想像が膨らみ、胸にじいんと来るようだ。
彼は世界を無意味だと感じていたのかもしれない。
でも、“美”はあると確信していたのではないだろうか?
『ルバイヤート』は、現在のイランを中心とするペルシャ文化圏において生まれた詩だ。
正直に言えば私自身、まだまだイランと言うと、遠い異国なような感覚や、昨今のニュースのイメージが先行する。
だが、本作に触れたことで、ペルシャの詩心の一端に、確かに触れたのだと思う。
しばらく晩酌をしていなかったけれど、本書を読了して、久方ぶりにウィスキーを開けた。
刹那の享楽や快楽というと、なにかと下に見られたり、忌避されがちかもしれないけれど、一瞬一瞬に自身の感性を研ぎ澄ませること……それをもっと意識してもいいのかもしれないと、感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人生短いんだから楽しんでやるんだい!という気概を感じるよい詩
当時からそんな価値観があったのだと感心する。 -
享楽つまり酒に刹那主義を見いだすようでいて、実のところカイヤームが見ていたのは、全宇宙の絶えざる神秘にほかならない。
フィツジェラルドの英訳で欧州へ広まった。 -
ペルシアの科学者オマル・ハイヤームの4行詩。前向きな刹那主義。今楽しまないでいつ楽しむ?ということを言っている。言い回しがカッコイイんだよ。岩波の訳はわかりやすい。それにしてもこの人酒好きだな。
オマル・ハイヤームの作品
本棚登録 :
感想 :
