代表的日本人 (ワイド版岩波文庫 164)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000071642

作品紹介・あらすじ

内村鑑三は、「代表的日本人」として西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮の五人をあげ、その生涯を叙述する。日清戦争の始まった一八九四年に書かれた本書は岡倉天心『茶の本』、新渡戸稲造『武士道』と共に、日本人が英語で日本の文化・思想を西欧社会に紹介した代表的な著作である。読みやすい新訳。

感想・レビュー・書評

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  • 海外の人から見た日本の視点を理解するものとして、茶の本に引き続き手に取った。西郷隆盛、二宮尊徳以外の3人はあまり知らなかったので、当時影響があった1900年前後に代表的と思われていた、もしくは内村鑑三がそう理解して欲しかった5人を知るという意味では良かった。
    時代背景もあり、内容に偏りがあったことも含め若干読みづらかった。

  • 私はクリスチャンです。明治時代に、どのようにクリスチャンである著者が日本人を見ていたのかそれを知りたくて読んでみました。欧米向けにもともとは英文で書かれていた著作です。明治以前の日本人の精神を気高く書いていて、読んでいて色々と考えさせられました。

  • なんだろ、あまり好きじゃなかったのかな
    外人に紹介するための本とはいえ、!マークとかが不自然。いきなりテンション上がってる的な
    あと総じて作者は質素、謙虚、誠実な人を好んでるんだなー、と

  • 日本人ってすごい!すばらしい!みたいなことを言いたい最近の風潮にはまる本なのかもしれない。ただ、書かれたモチベーションは少し異なっていて、欧米文化がどんどん入ってくる中で、当時の知識人はものすごく危機感を感じていたんだろうな、と実感する。
    自国の歴史の中で役割を果たした自国の人々のことを私たちが知ることは、国が国であり続けられる重要な条件だと思う。2016現在、彼らの理想としていたような世界との結びつき、自国文化の伝承はできているだろうか。

  • 明治期に日本の偉人を海外に紹介したものですが、内村鑑三の(キリスト者の視点からの)日本及び日本人に対する再評価という意味合いが強いように感じます。特に儒教、仏教の日本での展開を論じながら、進歩的な西洋を奉じつつも、日本独自のアイデンティティを発信しようとしている点が興味深いです。

  • ★『代表的な日本人』内村鑑三 (岩波書店)
    内村鑑三があげる、徳のあるの日本人を紹介している五人西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮上人。「徳のある」と言う表現は実際に内村鑑三が彼等を表現するのに使った言葉ではないけれど、読み終えた今振り返って私のなかに強烈に残る印象である。五人とも、名前は知っていたし、こんな人と言われれば、「そうそう」とうなづけるぐらいの知識しかなかった。
    この本は五人それぞれを説明するのにはあまりに”尺”が足りない。それでも、内村鑑三が敢えて、五人を一緒にしかも、200ページ足らずに抑えて紹介している。タイトルから想像するのだが、それは外国の人達に日本を、日本人を知ってもらうことを目的としていたのではないだろうか。限れれた尺の中で五人の魅力は十分に伝わってくる。
    以前に読んだ、『七つの習慣』で語られた「人格主義」を地で行く人物達だ現在の市場主義経済がもたらす人物評価の「個性主義」からすると、重く、肩苦しく、要領が悪く写っしまうかもしれないが、この五人の足跡はその実績以上に彼等の存在感を後世に残している。まさしく「人格主義」のinside outの帰結だ。
    2014.06.10

  • オーソドックスな一冊ですね

  • お奨めの本。
    昔の日本人ってすごい!と思える一冊。

    個人的に大好きな言葉である
    「後世への最大遺物は、勇ましく、高尚な生涯をおくることである」
    は、この本の著者である内村鑑三氏の言葉です。

  • 海外では新渡戸稲造の「武士道」、岡倉天心『茶の本』に並ぶほどの著だそうです。取り上げられている人物は、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人という5人。誰もが名前を知ってるけど何をやったか分からない方も多いと思います。これを見るとそれが概略的に分かります。文章も平易で字も大きく読みやすいので、ワイド版のほうがお勧めです。

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著者プロフィール

1861年生まれ、1930年没。思想家。父は高崎藩士。札幌農学校卒業後、農商務省等を経て米国へ留学。帰国後の明治23年(1890)第一高等中学校嘱託教員となる。24年教育勅語奉戴式で拝礼を拒んだ行為が不敬事件として非難され退職。以後著述を中心に活動した。33年『聖書之研究』を創刊し、聖書研究を柱に既存の教派によらない無教会主義を唱える。日露戦争時には非戦論を主張した。主な著作は『代表的日本人』、『余は如何にして基督信徒となりし乎』など。
佐藤優
作家、元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。現在は、執筆活動に取り組む。著書に『国家の罠』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。おもな著書に『国家論』(NHKブックス)、『私のマルクス』(文藝春秋)、『世界史の極意』『大国の掟』『国語ゼミ』(NHK出版新書)など。『十五の夏』(幻冬舎)で梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。ほかにも著書多数。

「2021年 『人生、何を成したかよりどう生きるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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