孫子 (ワイド版岩波文庫 170)

  • 岩波書店 (2001年1月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784000071703

感想・レビュー・書評

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  • ザッと新語訳パートだけ読了。
    自分の仕事と重ねながら。
    いくつかのテイクアウェイあり。


    - 戦争の原則としては(五つの大切なことがある。第一には既しのさしではかることし、第二には盛りますめではかることし、第三には数ー数えはかること、第四には称しくらべはかることー、第五には勝1勝敗を考えること一である。〔戦場の)土地について(その広さや距離を考える]度という間題が起こり、度の結果について(投入すべき物量を考える]量という問題が起こり、量の結果について(動員すべき兵数を考える]数という問題が起こり、数の結果について(敵身方の能力をはかり考える]称という問題が起こり、称の結果について[勝敗を考える]勝という問題が起こる。そこで、勝利の軍は〔こうした五段階を熟慮して十分の勝算を持っているから、重い鶏の目方で軽い熱の目方に比べるよう(に優勢]であるが、敗軍では軽い鉄の目方で重い絵の目方に比べるよう(に劣勢]である。

    - 長江や黄河の水のように尽き終わってはまたくりかえして始まるのは四季がそれであり、暗くなってまたくりかえして明かるくなるのは日月がそれである〔が、ちょうどそれと同じである]。音は(その音階は宮・商・角・微・刑の]五つに過ぎないが、その五音階のまじりあった変化は(無数で)とても聞きつくすことはできない。色は(その原色は青・黄・赤・白・黒の]五つに過ぎないが、その五色のまじりあった変化は〔無数で)とても見つくすことはできない。味は(酸・戦(からみ)・酸(しおから)・甘・苦(にがみ)の]五つに過ぎないが、その五味のまじりあった変化は(無数で)とても味わいつくすことはできない。

    - (それと同様に、戦闘の勢いは奇法と正法と〔の二つの運用〕に過ぎないが、奇法と正法とのまじりあった変化は〔無数で)とても窮めつくせるものではない。奇法と正法とが互いに生まれ出てくる一寄中に正あり、正中に奇あり、奇から正が生まれ正から春が生まれるというありさまは、丸い輪に終点がないようなものである。誰にそれが弱められようか。

    - そこで、将軍にとっては五つの危険なことがある。決死の覚悟で〔かけ引きを知らないで]いるのは殺され、生きることばかりを考えて〔気に欠けて]いるのは捕虜にされ、気みじかで怒りっぽいのは侮られて計略におちいり、利欲がなくて清廉なのは恥ずかしめられて計略におちいり、兵士を愛するのは兵士の世話で苦労をさせられる。

    - およそこれらの五つのことは、将軍としての過失であり、戦争をするうえで害になることである。軍隊を滅亡させて将軍を戦死させるのは、必ずこの五つの危険のどれかであるから、十分に注意しなければならない。

  • これまで、戦略系の本で言及されているのをみて、読んだ気になっていたのだが、よく考えると原著は読んでなかったかも?というわけで、読んでみる。

    合理主義的で、冷徹な論理にもとづく戦略論だな。

    論理といっても、机上の空論じゃなくて、人間の心理を深く考えた上での冷徹な論理ですね。

    やっぱ、戦争という生死をかけた世界では、論理が最後にかつのかな?

    そして、論理的に考えれば、戦争というのは、とっても危険な賭け。生死が関わっているのだから、絶対に負けられない。

    よって、負ける戦争は絶対にしない。

    相手から侵略されないような状況を常に作り続けるというのが基本。

    戦うときも、実際の戦闘をせずに、勝つことが目標になる。

    そういう意味では、国の存亡、人の命を真剣に大切に考えている感じですね。

    そして、どうしても戦わなければいけないときに、確実に勝つということ。で、確実に勝つための具体的な戦術論になると、急に血も涙もなくなるんだね。

    なるほど。。。。

    ずっとあとにクラウセビッツが書いた「戦争論」にも通じるところはたくさんある。(というか、全体のロジックに乱れがみえるクラウセビッツより孫子のほうが明解だということもできる)

    さらに下って、ポーターの競争戦略論にもつながるところも多いかも?だって、ポーターの議論って、いかに競争を回避するかということで、競争に打ち勝つ戦略というわけじゃないからね。

    ということを確認したわけだが、今回、読んで面白かったのは、なんかレバレッジポイントをうまく見つけて、そこをひっくり返すみたいなシステム思考みたいなところ。

    そして、レバレッジポイントについては、合理性というより、アートな感じがあって、そこに老子につながるセンスを感じた。

    おまけについている「史記」の「孫子」伝(?)が、強烈。

    ちょっと怖いけど、おもしろすぎる。

  • 要するに勝利を確信しているときだけしか戦ってはならない、というのが本書の骨子になっていて、それが意外だった。「遠い道を近道にするはかりごと」(急がば回れじゃないのね)や将軍の五危はなるほどと思った。また読み深めて日常生活に使えるヒントを拾っていきたい。

  • もっとも古く、優れた兵法書であり、戦術の祖。
     
    様々な角度から戦い方を知ることが出来る。

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著者プロフィール

1920年、三重県生まれ。東北帝国大学法文学部支那哲学科卒業。文学博士。東北大学名誉教授、追手門学院大学名誉教授、日本学士院会員。2003年、勲二等瑞宝章受章。著書に、『秦漢思想史研究』(平楽寺書店)、『管子の研究』(岩波書店)、『淮南子の思想』(講談社学術文庫)などがあるほか、訳書に、『論語』『荀子』『荘子』『韓非子』『孫子』『大学・中庸』(いずれも岩波文庫)など多数。2006年、逝去。

「2022年 『死と運命 中国古代の思索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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