大学・中庸 (ワイド版岩波文庫 228)

  • 岩波書店 (2003年7月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784000072281

みんなの感想まとめ

学ぶことの意味や心構えを探求する内容が魅力的で、特に「大学」と「中庸」は普遍的な教えを提供しています。朱熹の注釈に依存せず、古い読み方に焦点を当てることで、埋もれていた知恵が再び光を浴びる機会を与えて...

感想・レビュー・書評

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  •  一般に出回っている大学・中庸は朱熹の注釈に基づいたものを使用しているが、ここでは朱熹の注釈によらない、すなわち朱熹の思想の入っていない古い読み方を中心に扱い、参考として朱熹の序文、読み方を掲載している。

     もともと大学・中庸は埋もれていた書物であるが、読んでみればなかなか良いことが書いてある。これを朱熹が広めたいと考えたことは理解できるし、序文からもその思いは伝わってくる。しかし朱熹の注釈を読むと理と気の考え方を広めるために大学、中庸を利用したともとらえることができてしまう。ここが注釈の危ういところで、難解な文章の理解のためには注釈が必要であるが、そこに注釈を付ける者の思想が入り込む余地があるともいえる。ただ、朱熹の場合はこだわりのポイントがわかりやすいので、そこにさえ気を付けて読めばよい。

     大学では学ぶことの意味、心構え、そもそもなぜ学ばなければならないかが述べられている。上に立つものに向けて書かれたものであるのだが、学ぶという行為そのものに対する指針を示すものであるため、立場によらない普遍的な内容となっている。一方で中庸は「誠」を説いたものといえるが、自然や宇宙のありようと誠を結びつけているところに難解さがある。ただ、丹念に読んでいけば言わんとすることは伝わってくる。

     なぜ学ばなければならないか、学ぶということはどういうことか、どう学ばなければならないかという忘れがちなことを思い出させてくれる。朱熹ではないが、このようなものが埋もれているのは確かにもったいない。学ぶということの大切さを伝えるためにも、漢文の授業を通してでもよいので公教育の場で扱うべきだと思う。

  • ●論語や孟子は学生時代に読んでいたが、大学・中庸は読んでいなかったので読んでみた。印象としては、論語や孟子と似たようなことがかいてあるなと感じた。

  • 最高の書物だと思う。自分がどういった人物になろうかという目標立てに最適だった。
    基本的に君子論なのですが、君子をここでは立派な人という解釈にすると自分の目指すものが明確になるかもしれません。
    聖人が果たして君子だったわけではないので、聖人で表現している部分などを含めて考察すると立派な人の解釈でも間違っているわけではない気がしますので。

  • 続いて中庸。
    「何事でもひろく学んで知識をひろめ、くわしく綿密に質問し、慎重にわが身について考え、明確に分析して判断し、ていねいにゆきとどいた実行をする。それが誠を実現しようとつとめる人のすることだ。」
    そのような、誠であろうとする努力の先に、徳が備わっていき、分に合った中庸の状態が実現するという…
    読んでる内に恥ずかしくなって来たというのが、今の偽らざる所です。

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著者プロフィール

1920年、三重県生まれ。東北帝国大学法文学部支那哲学科卒業。文学博士。東北大学名誉教授、追手門学院大学名誉教授、日本学士院会員。2003年、勲二等瑞宝章受章。著書に、『秦漢思想史研究』(平楽寺書店)、『管子の研究』(岩波書店)、『淮南子の思想』(講談社学術文庫)などがあるほか、訳書に、『論語』『荀子』『荘子』『韓非子』『孫子』『大学・中庸』(いずれも岩波文庫)など多数。2006年、逝去。

「2022年 『死と運命 中国古代の思索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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