完訳 緋文字 (ワイド版岩波文庫)

著者 : ホーソーン
制作 : 八木 敏雄 
  • 岩波書店 (2010年2月17日発売)
3.75
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000073196

完訳 緋文字 (ワイド版岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 古典新訳文庫の訳のんを、先読んだが、ちょっと物足りない感あったので、こちらも読んでみた。序文と税関も、こちらが分かりやすくて好きだ。
    不義の子を産んだヘスター・プリンの贖罪の物語。妻と不義相手の牧師と 寝取られ夫の関係に、イラつく。不義のため姦通罪に問われたヘスターには、守るべきと言おうか、娘パールがいたから、夫に離縁されても、緋文字を身に着け子供と一緒に人晒し者にされても、頑なに、父親の名を明かさず、毅然と運命に立ち向かう姿が、逞しく思えた。
    夫は、妻の不義を許す代わりに離縁し、名を変え、不義相手を執念で見つけ出し復讐に燃える悪魔となる。
    ヘスターの不義相手は、若い牧師で、神に仕える身でありながら自分の犯した罪に苛まれ、悔い改めようと向き合うが、自分が父親であることを名乗れない。
    ヘスターの逞しさにも、元夫医師の豹変ぶりにも、牧師の信心深さ人望の厚さに潜む心の闇にも、凄まじさを感じた。とは言え、皆それぞれに、自己中心的なのだ。救いどころがない関係だが、牧師の死で悲劇的ながら大団円を迎えるのが、群衆心理としても、読者心理としてもふさわしい。

  • アメリカ文学史の講義の課題図書
    課題図書なのに途中で放棄したまま笑

    冒頭の部分はかなり好きなので時間があるときに無心に読みたい。

  • 作者がこの物語を書くまでの経緯を綴った、冒頭の「税関」でまずニヤニヤ。こういうメタ視点とか他者と同時に自分をもおちょくるひねくれたユーモアとか、「意地の悪いインテリの文章」ってかんじで嫌いになれない。ここは物語の内容さえわかればよいという場合には読まなくても支障はない部分なのだけど、「作者を知る」上ではとっても大事なところなので、これから『緋文字』を読むという方には唯一この「税関」が載っている完訳版をお薦めします。

    本題のヘスター・プリンの物語については、女権拡張の声が挙がりはじめた時代の動きを察知して「新しい女性」像を鋭く描きだしてはいるものの、結局根っこの部分では作者はその「新しい女性」を恐れているのね、ってところでガクッとくるかんじかなと。保守的な体制に批判的なのは明白だし進歩的な面も見受けられるけれど、「女性」に対する眼差しは複雑で厄介なもので、読んでてちょっと疲れた。

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