河童 他二篇 (ワイド版岩波文庫 361)

  • 岩波書店 (2013年4月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784000073615

みんなの感想まとめ

人間社会と対比される河童の世界を描いた作品は、暗いユーモアと深い洞察に満ちています。芥川の独特な視点が光るこの短編は、昭和初期の社会を戯画的に表現し、理想社会とはかけ離れた河童社会の様子を通じて、当時...

感想・レビュー・書評

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  • 上高地を訪れたときにたまたま鞄に入れていたのがこの『河童』だった!帰りの新幹線で読んだ。

  • ☆3 水無瀬
    芥川版ガリバー旅行記。構図としては人間社会に対比される別社会、であるが、馬の国よりも河童はもっと戯画的であり、理想社会ではないところがさすが根暗な芥川。暗いばかりでなく全編おかしみが漂っている茶目っけのある書きぶりが芥川短編の傑作である。

  • 河童は昭和初期の世相を戯画したというが、言葉の通りでは無さそう。
    当時の時代の『新時代として悪化した面』と『旧時代から変われない悪い面』が組み合わさるから、懐古主義とも言えない。
    更に河童社会に『自己の自虐的自画像』まで反映させる。実に多義的。
    そのように、すべての否定的な側面を詰め込んだのかな、と思いきや『希望』まで詰め込む。それは生活教など、動物的なエネルギィの回復。最後に主人公が河童の世界を求めるようになるところを見ても、やはり作者の意図は河童の否定ではないのだ。
    礼儀や道徳が崩壊した後の、ニイチェ的なエネルギィに溢れた世界を求めたのでしょうか。
    そんなわけで、河童の社会の特徴が具体的に何を批判していたのかは、専門書を読まなければわからんのでしょう。風刺の対象が、新時代か、旧時代か、芥川自身か、それとも風刺ですらなく希望なのか。最後に希望が残るという一点をもって、この作品はパンドラの箱とも言えると思います。

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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