皮膚は考える (岩波科学ライブラリー 112)

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  • Amazon.co.jp ・本 (102ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000074520

感想・レビュー・書評

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  • 皮膚はただ体を包んでいるだけではなくて、神経伝達物質の受容体があるなど、まだまだわかっていないはたらきがあるそうだ。専門用語が多く、一回読んだだけでは中身を全て理解できなかったけど、皮膚がすごいはたらきを持ってそうだということはわかった。
    皮膚は他の感覚器官とは違って色々な刺激に反応する、という内容を読みながら「そういえばそうだなぁ」とふと思った。感覚器官がどんな刺激に反応するか知っているくせに、皮膚と他の感覚器官の違いになんとも思っていなかった。無意識に皮膚は他の感覚器官よりも重要ではないと思っていたんだろうな。いやはや勉強あるのみ!

  • フォトリーディング&活性化で高速リーディング。

    著者は「おそらく」と断ってはいるが、皮膚は光を感知し、気分に作用するとの事。ベータエンドルフィン(快感物質)が皮膚にあるが、どのような役割なのかは不明との事。

    皮膚は臓器、皮膚は免疫をつかさどっている、などのキーワードで科学的に色々説明をされている。

  • 皮膚は1/3失うと死んじゃう重要な「外臓」。
    脳と同じくらい優秀なセンサーがついているなんて、なかなかわかりにくいところである。

  • 皮膚は、身体と外界の境としての働きをしています。
    外界には、細菌や異物など身体に入ってきては困るものがたくさん存在します。
    身体を守る第一関門が皮膚です。
    皮膚は、単に外界と身体の境としての役割だけでなく臓器としての高度な働きも持っています。
    そんな機能を研究した内容を書いた本です。

    http://ameblo.jp/nancli/entry-11574210448.html

  • 皮膚には脳神経系で働く物質と同じものが存在する。そして、皮膚は環境に応じて、その状態を変化させ、必要な情報を体内に伝える。鍼灸の効果もこんなところから本質がわかるかもしれないらしい。マッサージやスキンシップの科学的な効果もこれから明らかになってくるのだろう。これからも要注目である。

  • 鍼灸の作用機序は現代科学で明らかになっていない。

    これを、非科学的だからと取るか、または一種の哲学や思想であり医学ではないと取るか、それともあくまで現代科学では明らかになっていないが経験科学によって支えられていると考えるか。様々な捉え方があり、特にわが国では前者二つの受け取り方が大勢を占め、その結果鍼灸の生涯受診率が6%という結果になっているわけである。

    しかしながら意外や欧州、例えばドイツでは日本よりはるかに鍼灸治療を医療のチョイスにいれている人が日本の倍ほどもいたりする。

    この本は皮膚についての本であるが、最後一章を割いて鍼灸治療について書かれている。

    なぜ鍼灸治療では皮膚に鍼やお灸をすることで内臓疾患にアプローチできると考えているのか。ただの迷妄か、それとも皮膚刺激にそのような効果があるのか?

    現代科学と伝統医療の間に横たわる深い溝に頭を悩ませたことがある人には一読を勧めたい、そんな本である。

  • 著者のこれまでの研究と、それを踏まえた予想、皮膚が単なる体を包む膜ではなく免疫や全体のホルモンバランスと関係し、さらには皮膚そのものが脊髄や大脳のような情報処理システムを持つのではないか、という、まとめるとそのような考え、が述べてあります。
    語りくちが丁寧でわかりやすく、研究者のおじさんの話を「うんうん」、「へぇ~!」と相槌を打ちながら聞いている気分で読みました。
    ただ専門用語が多く、わからない言葉があるとその都度勉強しながら読んでいたので時間がかかりました。お医者さんが読むとより面白いんじゃないかなぁ?

  • 賢い皮膚の作者の前著
    あまりにもわくわくしながらよんだためこの人の
    書籍を読みたくて紐解いた まあ内容が重複するので
    内容は一緒ではあるが 一気に読みきってしまった
    前著にはない細かいデータや考察がすこし入っていたので
    非常によかった

  • 浅く刺した鍼がなぜ効くのか?本当にちくっとしか刺さない日本の古典的な鍼灸治療に私も治療者でありながら、半信半疑な所がありました。
    しかしこの本を読んで、経験医学としてのカテゴリーだけでは納得できないない部分も多少あったので、「皮膚科学」という専門分野から鍼灸を見直すきっかけができて、本当に素晴らしいと思います。
    これからも研究を進めて欲しいし、鍼灸界とコラボしてほしいですね。

  • 皮膚は内臓の鏡というぐらいだし、お肌のお手入れに熱心な女子ならみんな「カラダの中身が肌に出る」ことは百も承知。
    その事実に科学でアプローチした一冊。
    生物で習った「皮膚は外胚葉由来」という
    知識に、こんな意味があったなんて!その他にも皮膚について知らなかったことが満載。やさしい文章で文系の私にも読みやすい本でした。

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著者プロフィール

1960年生。京都大学工学博士。資生堂研究員、JST CREST研究者、広島大学客員教授を経て明治大学MIMS研究員。主著に『皮膚感覚と人間のこころ』 『驚きの皮膚』。表皮研究で世界的に知られる。

「2021年 『サバイバルする皮膚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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