よみがえる天才アルキメデス―無限との闘い (岩波科学ライブラリー)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 23
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (130ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000074575

作品紹介・あらすじ

幻の奇書といえば、アルキメデスの『方法』は格別だ。貴重な写本に祈祷書が上書きされた羊皮紙が偶然発見されたのち行方不明。それが前世紀末のオークションに突然現れて世界を驚かせた。その運命もさることながら、その驚くべき内容がもし千年早く知られていれば、近代数学の歴史はまったく違ったものになったという。今回初めて読解された部分も含め、時代に二千年以上先んじた天才の思考を読む。

感想・レビュー・書評

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  • アルキメデスの著書は、これまでA写本、B写本、C写本の三冊が発見されている。A、B写本の内容はむかしから明らかにされいるもので、彼の定理とその証明が記述されている。今世紀に入り、C写本が再発見(その存在は全世紀からしられていたが、紛失してしまっていた)された。競売にかけられ当時のレートで2億円以上の値がついた。その内容について解説するのが本書の役割である。 それによると、アルキメデスの思考は幾何を代数的に解くレベルに到達していたことがわかる。ここまで来てなぜ、解析(無限級数を扱うこと)に到達できなかったのかと残念に思うのだが、それは無限の扱いになれている現代数学を学んだ人間だから言えることなのだろう。それを差し引いたとしても、恐るべきレベルの数学者である。彼の数学は、おそらく2000年進んでいたと思われる。つまり、彼の死後2000年の経過を待たなければ、彼の知識の後継者は出てこなかったのである。なんと凄まじい数学者なのだろう。

  • 勉強になりました。

  • こちらも図書・図書館史の授業向け、パリンプセストについて別の本も見て書いておこうと思って買っておいた本。
    2ソース以上あたる、という意味ではあってよかったと思う。

  • 3位
    アルキメデスの著作はA写本、B写本、C写本に大別されます。
    C写本の所在はながらく謎とされてきましたが、近年になってようやく発見されました。

    本書はC写本の数奇な運命を描く歴史ロマン、かと思いきやアルキメデスの業績をおさらいする数学史の時間に早変りし、さらには 「もしC写本が紛失しなかったらどうなっていたか?」 という歴史のIFにまで挑むのです。
    壮大な可能性を秘めた力強い本! 書き方はそっけないけど、
    それがまたそそります。

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著者プロフィール

斎藤 憲
斎藤 憲:大阪府立大学学術研究院第一学群人文科学系教授

「2015年 『原論 VII−X』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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