新薬スタチンの発見: コレステロールに挑む (岩波科学ライブラリー 123)
- 岩波書店 (2006年9月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (113ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000074636
作品紹介・あらすじ
青カビからつくられた奇跡の薬、第二のペニシリンとも呼ばれるスタチン。動脈硬化や心臓病の特効薬として毎日世界中で三千万人以上の人が服用する。いまや薬剤の年間売上ベストテンの上位をスタチン関連が占める。発見したものの再三開発中止に追い込まれ、土壇場でついに認められるという波乱の道のりを発見者自らが語る。
感想・レビュー・書評
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勉強になりました。
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コレステロールを下げる「奇跡の薬」であるスタチンが、いかにして発見され、紆余曲折を経ながら、世界中で認められるに至ったか。発見者自らが波乱の道のりを語るという1冊。
うはは。おもろいっすよこれ。最初の「目の付け所」にキャラクターが出てるし、何度もお蔵入りの危機を乗り越え、とうとう世界中から待ち望まれる存在になるあたりがドラマティックで読み応えばっちりだし。国際的な企業の謀略あり、騎士道精神ちっくな友情あり。ちこっと用語臭いトコ我慢するだけで、まーさに「ひとりプロジェクトX」的な展開を楽しめる。
血中のコレステロール値を下げることが、すなわち冠動脈疾患のリスク低減に直結するのかというと、いろんな異説もあったようだ。しかし、(この本によれば)「コレステロール論争」はまさに「スタチン」の大規模臨床試験の結果によって白黒ついたそうで。(でも、コレステロールと健康の関係は、いまいちど整理して教えて欲しいなぁ……諸説あるし)
最新の医学の大進歩に、日本人が大きく寄与していて、そのオモウラについて発見者本人の筆で読める……多少「学者の作文」ちっくではあっても、それでおもしろくないわけないではないですかと。はい。 -
世界的な大発明、コレステロール低下剤スタチンの開発物語。内容はちょっと難しかった。遠藤先生、ノーベル賞とらないかなあ。
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1 新薬の種を求めて
2 動物実験で二度の危機
3 重症患者には安全でよく効いたのに
4 強力なライバルの出現
5 大規模臨床試験から見えてきたこと -
[ 内容 ]
青カビからつくられた奇跡の薬、第二のペニシリンとも呼ばれるスタチン。
動脈硬化や心臓病の特効薬として毎日世界中で三千万人以上の人が服用する。
いまや薬剤の年間売上ベストテンの上位をスタチン関連が占める。
発見したものの再三開発中止に追い込まれ、土壇場でついに認められるという波乱の道のりを発見者自らが語る。
[ 目次 ]
1 新薬の種を求めて(コレステロールと冠動脈疾患;動脈硬化の原因 ほか)
2 動物実験で二度の危機(ラットのコレステロールが下がらない;自らラットを飼う ほか)
3 重症患者には安全でよく効いたのに(再復活へ;臨床試験は順調であった ほか)
4 強力なライバルの出現(幻のプロポーズ;世界最大手メルクのねらい ほか)
5 大規模臨床試験から見えてきたこと(コレステロール値を下げて心臓発作が減ったのか;大規模臨床試験 ほか)
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[ 参考となる書評 ] -
高脂血症治療薬スタチンを作った遠藤先生のお話。その開発は簡単ではなく、社内の逆風が吹いた時もあれば、特許をめぐる外資の巨大企業からの巧みな戦略にさらされる。しかし日本人の作った薬が世界の人々を救っているという事実はもっと多くの人に知られるべきものではないだろうか?
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2008/6/10