後悔しない意思決定 (岩波科学ライブラリー 129)

  • 岩波書店 (2007年3月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784000074698

感想・レビュー・書評

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  • 【目次】

    まえがき
    第1章 当面する決定
    第2章 意思決定を表やグラフで表す
    第3章 合理的な意思決定の基礎
    第4章 確率評価を磨く
    第5章 それでも人間は規範モデルに従わない
    第6章 人生で重要な問題の決定のためのアドヴァイス

    あとがき
    補足
    参考文献

    【感想】

    現在の快楽をしりぞけ、将来の自己実現に近づくような選択肢を選ぶことはたしかに合理的な意思決定だろう。でも問題は、どれが合理的な選択肢かを頭ではわかっているはずなのに、現実の場面ではなぜかいつも目先の快楽に傾いてしまう人が(私を含め)いかに多いか、という実践の難しさにあるのでは。

    さらに、「人間は合理的である」ことを前提とするなら結局はストア派の生き方に帰着しそうだけど、この前提がそもそも疑わしい。

    第5章までは主観的期待効用モデルを力説してきたのに、最後の第6章で急にキャリア論っぽい結論で、ちょっと肩すかし。

    【備忘】

    - キーワード
    - 主観的期待効用モデル
    - 効用(=自分にとっての望ましさ、≠価値)
    - 主観確率
    - デシジョンツリー(□: 決定ノード、◯: ランダムノード)
    - 合理的(=目的遂行のために有益)
    - 意思決定(=ひとつの選択肢を取り、他の選択肢をあきらめる)
    - 単一理由ヒューリスティックス
    - 属性消去モデル(EBAモデル、elimination by aspects model)
    - 3つのバイアス(代表性ヒューリスティックによるバイアス、利用可能性ヒューリスティックによるバイアス、アンカリングヒューリスティックによるバイアス)
    - プロスペクト理論(=人間の判断は、対象のどの側面を見るかという見方 prospect によって変わる)
    - 満足化原理(=ある程度の満足度で意思決定をしてしまう、satisficing)

    - 一本道ばかりが続き、分岐があっても決定ノードが少なくランダムノードが多いような人生でいいのか、というのはその通り。
    - 結局、最後の章はキャリア論の様相を帯び、「意思決定には些細な決定と人生に重要な意味をもつ決定とがある」と説き、限られた認知資源を重要な決定に注ぐべきという結論を示すが、問題は、自分がいま直面している意思決定の場面が些細なのか重要なのかが不明な点ではないか。
    - 過去をふり返るなと説くが、過去をふり返らないことと反省しないことは異なる。反省しないせいで同じ過ちを何度もくり返して後悔する、というパターンは容易に想像できるだろう。過去をしっかり反省し、いちど反省したらそれ以上はふり返らない、と説くのが適切だったと思う。
    - 「判断が良くても行動しなければ意味がない」というのはその通り。
    - 意思決定の難しさは、行動した結果がどのような効用をもたらすのかが不確定であること。その点は、著者自身も「不確定の事象の不確実性に数値を与えることは、日常的には困難である」と認めている。
    - 意思決定ができない人はあきらめることができない。
    - 「じつは、人生のすべての決定が賭けである」。
    - マルクス・アウレリウスの『自省録』は、読み方によっては、彼が一生懸命自分の人生を納得させようとする悲しい努力を綴ったもののようにも感じられる、という指摘にはなるほどと思った。

  • 人生は決定の連続だ。今も仕事の合間にこれを入力するという決定をしている。この決定を後悔するか?後悔すると思っていたら基本的にはこの行動をしないだろう。結果的にうまくいかなければ,あの時間を仕事に割り当てておけばと後悔するだろうが,後悔しないことを想定して意思決定しているからどうしようもない。後悔を予測しても現実に後悔状況になっていないから都合の良い判断をするのだろう。結局,自業自得であり,自分で責任を取るのだ。責任が自分の範囲に留まればいいが,そうでないことも多いからやっかいだ。

  • 数学や物理を詰めていくとこういう切り口が見えてくるよな…という印象を改めて持った

  • ふむ

  • 主観的期待効用モデルを基本としている。
    よりよい確率評価の方法を言及。
    (ベイズの定理推奨)
    そして現実に合わせた柔軟性が重要と。
    (ヒューリスティック、プロスペクト)
    まとめに、タイトル通り、
    後悔しないためのアドバイスがある。

    短いので読みやすい。
    私は元々後悔しない性格なので、
    アドバイスが直接役には立たないが、
    私が何故後悔しないのかが、
    客観的に評価、整理できたのがよかった。

  • 合理的ではなく、感情的に決定をして後悔することが多い。

    自己実現とは才能・能力・可能性の使用と開発

    1願望や恐れ、不安を客観的に見ることができる
    2決定することを恐れず、決断力がある
    3状況の変化に柔軟に対応できる
    4自分に正直

    後悔は後から来る感情。当面苦労しても自己実現に近づく選択

    決める、は「明らかにすること、あきらめること」
    なかなか意思決定できない人はあきらめることができない人

    後悔をよくする人は、起こったかもしれないことをよく考える人
    後悔しない人は、自分で選ばなかった選択を消してなかったことにする人

    ・大事な決定は能動的に決定する
    ・確固とした目標をもつ
    ・己を知る
    ・客観的に将来を見通す
    ・過去を振り返らない

  • 後悔先に立たず、とはよく言ったものです。思えば人生,「あのとき,こうしていれば…」と悔やむことが少なくないです。では,どうすればより良く,悔いなく生きることができるのか。人生を不断の「決定のプロセス」と見て,岐路に立つ人へ決断の要諦を示す.

  • 信長とハンニバルの戦略
    特に桶狭間での戦いにおける 家臣と信長の戦略の違いと意思決定の合理性
    を旨くまとめて書いている、
    またアルゴリズムとヒューリスティックの違いが明確でないところが残念です

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著者プロフィール

東京大学名誉教授、帝京大学文学部心理学科教授

「2025年 『知能とは何だろうか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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