〈眠り病〉は眠らない: 日本発!アフリカを救う新薬 (岩波科学ライブラリー 140)

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  • Amazon.co.jp ・本 (106ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000074803

作品紹介・あらすじ

難病として知られる眠り病。蔓延するアフリカではエイズ以上の被害をもたらし、経済発展にも深刻な影響を与えている。眠り病の正体は何か?治療法は?地道な研究が300年近くにもわたって積み重ねられ、ついに日本で有効な物質が見つかった。効果的で副作用のない純国産新薬ははたして完成するのか。眠り病研究の歴史と現状を紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 眠り病という、あまりお金にならないから相手にされないアフリカの病気に、ビル・ゲイツのお金と日本の知恵が挑む。すばらしい国際貢献なのに、知られていないのが残念。

  • 「睡眠病」という耳慣れない名前の病気を通して、途上国の疾病に対する医療技術の遅れの問題(見捨てられた病気の問題)があることを初めて知った。

    そもそも、欧米諸国によるアフリカの植民地化がなかったら睡眠病は一部地域の風土病にすぎず、このような大問題にはなっていない。
    しかし、睡眠病の研究が、熱帯医療、微生物学、化学療法といった分野の発展に寄与した部分は小さくないようなので、難しい。
    ただ、そのような発展が今後難病の治療に寄与するとしても、自分には、人間が自ら問題を複雑にしているとしか思えなかった。

    本の内容に関しては、終盤の生物学的、化学的な部分の解説が自分には難解で、理解しづらかった。
    分かりやすい表現が可能かは門外漢の自分には判断できなかったのだけれども、少なくとも、一般の人に分かってもらおうとする配慮に欠けていたように思った。

    全体のページ数が少なく、(あとがきを入れても101ページ)一気に読めてしまったのは良かった。

  • んんー?主題がよくわからない。
    ただ確実に医療ではなく科学の本。科学的な素養がないと厳しい。
    一般向けと書いてあるけどとりあえず私にはわからんかった。

    でも、わかった部分は知る機会をもらえてよかった。
    ヨーロッパ人に侵略されて、広めるつもりじゃないにしろ病気を広められて、家畜に流行る病気を根絶させるごとき熱心さで研究・治療されて、しかし独立後は自分ちの家畜じゃなくなったからもういいやといわんばかりに放置されて…とても、ひどい話。
    3%~10%が副作用で死ぬ薬なんて、先進国じゃ認可されない。
    少なくともそのまま半世紀近くもほったらかしたりはしない。


    本の構成は散漫。
    病気についてというわけでもなく、社会的なことでもなく、薬をめぐる研究者たちのぷろじぇくとえーっくすっ!でもなく。
    中途半端。というか眠り病関連の話題を思いつくままにしゃべりたい分だけしゃべっている感じ。
    せんせーまだそこ習ってません!

    ほぼ山内さん、6章だけ北さん執筆。
    …あの、私、科学と化学の区別もつかないので…ちょっとわかんないなと思いつつ読んでいたのだけれど専門家視点の6章に至ってこれ何語デスカ?状態に…
    これは理解出来てないから評価をつけられない。

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著者プロフィール

1931年、神奈川県生まれ。東京大学農学部獣医畜産学科卒業。農学博士。北里研究所所員、国立予防衛生研究所室長、東京大学医科学研究所教授、日本生物科学研究所主任研究員を経て、現在、東京大学名誉教授、日本ウイルス学会名誉会員、ベルギー・リエージュ大学名誉博士。専門はウイルス学。主な著書に『エマージングウイルスの世紀』(河出書房新社、1997)『ウイルスと人間』(岩波書店、2005)『史上最大の伝染病 牛疫 根絶までの四〇〇〇年』(岩波書店、2009)『ウイルスと地球生命』(岩波書店、2012)『近代医学の先駆者――ハンターとジェンナー』(岩波書店、2015)『はしかの脅威と驚異』(岩波書店、2017)『ウイルス・ルネッサンス』(東京化学同人、2017)『ウイルスの意味論――生命の定義を超えた存在』(みすず書房、2018)『ウイルスの世紀――なぜ繰り返し出現するのか』(みすず書房、2020)など、主な訳書にアマンダ・ケイ・マクヴェティ『牛疫――兵器化され、根絶されたウイルス』(みすず書房、2020)などがある。

「2022年 『異種移植 医療は種の境界を超えられるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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