ベリー公のいとも美しき時祷書

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000082259

感想・レビュー・書評

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  • 写本の歴史は古い。人々は紀元前から写本を作成し、印刷技術が開発されるまでそれは続いた。

    中世のキリスト教文化における写本は、文字とともに美しい細密画が描かれ、装飾写本と呼ばれる。

    14世紀以降、多くの王侯貴族や裕福な人物たちが芸術活動にさまざまな形で関わってきた。

    中世ヨーロッパの写本に関して有名なのは、ベリー公の写本コレクションである。

    フランス中部のベリー公国の君主(1340-1416)のジャンは、フランス王シャルル五世の弟で、領地から得られる莫大な財産のひとつの使い道として、写本を多く注文した。

    ベリー公の写本コレクションの数は千冊を超えるといわれているが、真実はもっと多くの数にのぼるだろう。

    ペリー公の写本のなかで、有名なのは、シャンティイのコンデ美術館にある『いとも豪華なる時祷書』、パリ国立図書館の『小時祷書』、ニューヨークの『美しき時祷書』などで、本書、『いとも美しき時祷書』は、『いとも豪華なる時祷書』とはちがうものである。

    『ベリー公のいとも美しき時祷書』は、極めて早い時期に3冊に分冊される。
    パリの国立図書館に所蔵されているものは、『いとも美しき聖母の時祷書』
    トリノにあったものは、『トリノの祈祷書』
    トリノ市立美術館のものは、『トリノ=ミラノのミサ典書』

    このうち、『トリノの祈祷書』は、1904年の火災で焼失している。何枚かの断片葉はルーブル美術館に現存しているが数が少ない。

    今回の岩波から出版されている本書は、その分冊三冊のうち、、『いとも美しき聖母の時祷書』と『トリノ=ミラノのミサ典書』は完全なかたちで、そして、火事で消失してしまった『トリノの祈祷書』は、幸運にも消失する2年前に写真撮影しており、そのモノクロ写真が掲載されている。

    時祷書というのは、個人的な信仰の手引きとして、聖務日課書を簡略化したもので、14世紀から15世紀にかけて、フランス、ネーデルラント、イギリスで数多く製作されたという。

    特に、王侯貴族であるベリー公の特別注文の『ベリー公のいとも美しき時祷書』は、豪華で美しい彩色で知られたものであり、本として描かれたものとは思えないほどの美しさを保っている。

    ヤン・ファン・エイクや、ランブール兄弟など、当時の主要画家かこぞってこのベリー公の写本の描き手となている。

    エイクの描いたであろうページは数枚存在し、エイクの油彩に見られる完璧な美しさが装飾文字とともに見られる。
    実に美しい書物であるが、大型本で14,700円と少々値が張る。

  • Tres belle heures de Duc de Berry

    図版はツヤが無いが拡大が多く、写本の図版として非常に助かる。
    基本情報を日本語で読めるのも良し。
    とにかく、ランブールとファン・エイク(だと思ってる)の作品が時代は異なれど一冊に混在している、すごい写本の全体板。
    他写本彩飾画家との比較が出来る、楽しすぎる一冊。
    安い買い物だったな。

  • 洋書なら約10分の一の値段で購入可能

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