軍艦島海上産業都市に住む―ビジュアルブック 水辺の生活誌 (ビジュアルブック水辺の生活誌)
- 岩波書店 (1995年2月1日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000084956
作品紹介・あらすじ
海底炭鉱の島「軍艦島」が閉山して21年。元島民が記録していた生活写真からは、驚くほどの活気と超高密度な空間が現れる。人も建物も、厳しい自然環境のなかで精一杯生きていた昭和30年代、大都市に先駆けて営まれていた高層住宅での暮らしから、人が集まって住むことの意味、そして暮らしやすさとは何かを考える。
感想・レビュー・書評
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古き良き時代の軍艦島の写真が沢山。活気にあふれた生活の様子がよくわかる。軍艦島を訪れたときのなんともいえない余韻がじわじわとよみがえる。
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さぞ窮屈だったろなあ
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廃墟としての軍艦島(端島)ではなく、人々が暮らしていた在りし日の軍艦島を建築学的なアプローチで紹介したビジュアルブック。
密集した建造物の中でコミュニティが形成されている様子は、九龍城砦を彷彿とさせるところもある。どの写真も美しく、精一杯生きる島民の活気で溢れている。
人は廃墟を見ながら、同時に、かつてそこにあったであろう生き生きとした生を見ている。
現在では、Googleストリートビューで立入禁止区域を含む島の内部を散策できるようになった。 -
先だって軍艦島を訪問、その前に読んだ本。
賑わっていた頃の写真がメーン。
建築学の立場からの解説がつく。
海上の高密度社会。
金魚や小鳥を飼うのが人気
島外に出たときにバケツに土を入れて持って帰り
屋上菜園を作る
昭和39年の炭鉱事故で人口急減。
大波、外壁代わりの建物を越えて落ちてくる潮振り町。
古い建物、入り口の玄関段差50センチ
鉄筋コンクリートの梁に段差を作った
三菱の企業城下町。
テレビや電気洗濯機の普及が早かった。
鉱員と職員。
昭和32年に海底水道完成。
それまでは真水は節約、節約だった
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現在はコンクリートが老朽化していて
立ち入りできない部分のほうが圧倒的に多い。
島のプールがある、お尻の方の外周を歩くだけ。
島全体の6分の1くらいの距離か。
それでもかなり、面白い体験だった。 -
2009年4月から上陸が解禁され、世界遺産の暫定リストに載るなど文化遺産としての価値が注目を集める軍艦島。
多くの写真集は廃墟としての軍艦島ばかりですが、同書では「生きた島」としての軍艦島の姿が写真と文章で活写されています。
軍艦島関連の本は結構読んでいますが、オススメは「1972 青春 軍艦島 」と同書。 -
おもしろかった。
「建築家の視点」で書かれている点が興味深い。
写真も、文章も一見の価値あり。
人々が生活している生きた軍艦島として描かれている。
廃墟の本ではない。
そこがいいと思う。 -
子供の頃、住んでいた家のすぐ前に、米軍基地があった。その基地からいつのまにか人の気配がなくなり、気がつくと、金網の向こうにある、決して手の届かない廃墟となっていた。
米軍が駐留していた活気あふれる頃と、廃墟となり少しづつ植物に浸蝕され野生へと変容していく過程を自分は覚えている。
そしてその空間は、公園へと「破壊」され、既に存在しない。
廃墟とは、かつては人の営みで賑わった記憶の残照のようなものだと思っている。活気ある生活拠点としての「端島」を知らずして、あの島の魅力は理解できないと個人的には思う。 -
母の実家のそばにある廃墟。
単に廃墟がかっこいいなぁ! とかではなく、歴史的なところに興味があり購入。
観光客やミーハーに荒らされずに、そっと風化していってほしいなぁと思う。 -
いまや廃墟界のビートルズと化してしまった軍艦島だが、この本は閉山前の人々の生き生きとした生活が映し出されてます。当時は人口密度世界一で、あらゆる都市機能がそろっていて、無いのは火葬場くらいだったそうです。そんなミニマルポリスな軍艦島が垣間見れる1冊。
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あの小中学校に電気がついてる写真でぐっときました。